ど真ん中名刺を作ろう
もし、あなたの周りにど真ん中を生きる大人が
100人いたとしたら…
富山県小矢部市は、石川県と隣接した人口約3万人の町です。江戸時代から富山市と金沢市の中間にあり、北陸街道の宿場町として栄えました。
現在でも、能越自動車道、東海北陸自動車道、北陸自動車道の三つの高速道路が通る交通の要衝です。地理的にも、北は日本海と里山里海文化、南は土徳の里と世界遺産五箇山合掌作り集落、西に加賀百万石の城下町、東に伝統工芸と商工業の町が広がり、人、文化、経済、情報をつなぐ場でもあります。
この小矢部市で、昭和24年に創業したヤマシナ印刷は、宿場町として着物問屋が多く立ち並び栄えたこともあり、着物に家紋を入れる仕事から印刷の仕事へと変化していきました。
想いを実現することで、想い手・受け手のよろこびが生まれる―。
全力で軽印刷を営むヤマシナ印刷は、そんなビジョンのもと、一つ一つの想いに向き合いながらお仕事をさせていただいています。印刷会社の本来の仕事とは、人と人が繋がるコミュニケーションのかけ橋となるツールを提供することと理解し、これまでいろんな活動を行ってきました。
町の小さな印刷会社の役割は、2つあると思います。
ひとつは、地域の暗黙知の図書館を担うこと。暗黙知とは、その地域ならではのお祭りや伝承、おばあちゃんの知恵といった地域のコミュニティの根底を支えるものです。
町の印刷会社とは、ローカル文化の発信拠点、地元観光情報の広報メディア、地場産業活性化のサポーターだからこそ、地域にとって必要な情報が集まります。それを守り、今の時代ならではの方法で発信していくこと。
そして、もうひとつは、志の地産地消です。人が何かをはじめようとした時、その想いが成熟し、カタチになりはじめるまでは、出口の見えないトンネルを進んでいるようなものです。そんなときに、そっと支え、共に歩むようなサポートを行う。これも、今の時代だからこそ必要な印刷会社の役割であり、スキルだと思っています。
そして、せっかく覚悟を決めて行動するのであれば、目の前を遮る壁さえもチャンスだと捉え、ワクワクしながら続けてほしい。
ど真ん中を生きてほしい。
そんな生き方を目指す大人たちを増やしたい。
自分たちの周りに、そんなど真ん中を生きる本気の大人が100人いればどうなるだろう。
そんな姿を子供たちに見せることができたら…。
考えるだけで、ワクワクします。
地域の暗黙知の図書館としての役割、志の地産地消を目指す印刷業として、提供できる価値。
そのひとつが
「自分は何のために生まれてきたのか」
そんな人生の問いに真正面から向き合う名刺を作っていきたいと思っています。
それが、未来への希望となる礎として、ささやかな役割を担うことができれば本望です。
ヤマシナ印刷株式会社 専務取締役
山科 森(やましな しげる)