温風至 あつかぜいたる
温風とは、梅雨明けの頃に吹く南風のことで、「白南風 (しろはえ)」と呼ばれている。 梅雨の間に吹く南風は「黒南風 (くろはえ)」。 どちらも南風だけど、湿度が多い黒と、スカッとした白、風に色をつける。
ちなみに夏、日本海の沿岸部で吹く、穏やかな海風のことを「あいの風」という。
沖から魚貝や海藻などの珍味を吹き寄せるので、宴に通じる「あえ」を語源とする説もある。 奥能登の農耕儀礼「あえのこと」のあえも同じ語源。
【温】 あたたかな煮物とお皿のイメージの漢字。 温故知新という4文字熟語がある。
これは論語の言葉だ。
故きを温ね、新しきを知れば、もって師となるべし。
ここの「温ね(たずね)」は、なぜ「尋ね(たずね)」ではないのか。
いろいろ所説あるのだろうが、コトコトじっくり煮るという「温」の語源と合わせて考えるのであれば、過去の出来事や先人の知恵、歴史をひとつの鍋で煮るように混ぜ合わせ、その中から真理を見つけるという意味なのかもしれない。
#72プロジェクト 72プロジェクトとは、日本の七十二候に向き合い、生活の中の変化に出逢うプロジェクトです。 そのことで、 ど真ん中を生きる中で、命の縦軸を慮る。 (生まれ育たった風土と自分の関係性)
ど真ん中を生きる中で、未来への絆を深める。 (生活の中の気づきを子どもたちへ伝承)
ど真ん中を生きる中で、今に思いを馳せる。 (営みの中の小さな変化への気づきを察する)
そういったプロジェクトです。
七十二候のパステルアート ここあーと みやばやし ともこ
七十二候の書 おちゃやれ堂 中井 好子
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