嘘の儀式
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 17番目の嘘 プロジェクトを始めるには ビジネスプランと予算と元手のお金が必要だ ちょうど会社で「きなこ棒」の販売に向けて打ち合わせをしているとき。 売上と経費をどうしていくべきかを考え始めた。 そのとたんに、これまでのクリエイティブは会話から一転し、シリアスな会議に変わった。 その影響はつづき、試作を作るにしても、コストや設備のことに敏感な対応になった。 このとき、正直どう反応すればよかったのか、すぐに答えを見つけることのできない自分がいた。結果、正しい選択ではなく、恐れへの反応をしてしまったように思う。 なぜ、これほど話題がお金になった瞬間に、見ている世界が変わるのか。 改めて本書の内容に戻る。 ベンチャーキャピタリストやバンカーは、実際にはビジネスプランを見ているのではなく、「人」を見ている。 案件の是非は先に決まっており、数字は後からそれらしく整えられることも多い。 多くの人はそのことを、心の奥ではうっすらと理解している。 それでも誰も口にせず、ビジネスプランや予算の重要性が語られ続ける。 この「
世界よ、応答せよ。
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 16番目の嘘 やりたいことのために働いて稼ごう この言葉の前提には、こういう分断があります。 いまの仕事 = 本当はやりたくない やりたいこと = いつか、別の場所にある お金 = それを実現するための手段 つまり、「いま」と「本当」を切り離している。 この嘘に乗ると、人生はこうなりやすい。 今は我慢 まずは稼ぐ 余裕ができたら そのうち本当にやりたいことを ……でも、「そのうち」はなかなか来ません。 さらに困ったことに「やりたいこと」すら嘘の可能性があります。 やりたいこと=自己証明 やりたいこと=逃避先 すると、ますます「今」が犠牲になります。 つまり、今回の嘘とは、 今と未来を分けない 、という提案です。 ところで、なぜ多くの言語で「お金=報い」なのか 貨幣が生まれる前、人は 狩る 作る 守る 癒す といった行為を通じて共同体に貢献していました。 その「役に立った」「助かった」という感覚が、具体的な形で返ってくるものが必要になった。 それが 物 穀物 金属 後に貨幣 つまりお金は、「ありがとう」を保
自由と責任
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 15番目の嘘 お金があれば自由になれる この章は、ひとつの言葉から始まる。 「本当の自分に出会えたとき、あなたは自由である」ボフダン・ハウリリシュン この言葉に強く惹かれた。 同時に、「本当の自分とは何か」「自由とは何か」という、大きな問いが立ち上がる。 興味を持ち、ボフダン・ハウリリシュン(Bohdan Hawrylyshyn)について調べてみた。 1926年―2016年。ウクライナ、カナダ、スイスで活躍した経済学者、思想家、慈善家。 ローマクラブ正会員。 スイス国際経営研究所 所長。 ダボス会議の創設に関与。 GM、IBM、ユニリーバ、フィリップスなどのコンサルタント。 第二次世界大戦中の1944年、ナチスに捕らえられ、ドイツに連行。戦後は約2年間、難民キャンプで過ごし、その後カナダへ移住。木こりなど様々な仕事をしながら、トロント大学で学んだという。 ……すごい人生である。 彼の哲学のポイントを、AIに整理してもらった(抜粋)。 多くの経済理論は、数字・市場・効率というフレームで語られる。しかしハウリ
愛の受け取り方
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 14番目の嘘 お金持ちは豊かだ まずは、13番目の嘘の振り返りから。 欲深い人に対してこそ、愛とともに手渡すのです。 この言葉を、少し噛み砕いて考えてみたい。 もし、お金を稼ぐ原動力となっている「欲深さ」が、実は 愛の欠乏 から生まれているのだとしたら。 そして、その欲深さの力によって、結果的にお金持ちになることができたとしたら。 普通に考えれば、「欲深いお金持ちにお金を渡すくらいなら、貧しい人に渡したほうがいい」と思うかもしれない。 しかし本書では、むしろ逆の可能性が示唆されている。 欲深さの根にある「愛の欠乏」を、 「愛 × お金」 というかたちで満たすことができたなら、結果的にそのほうが、社会全体は豊かになるのではないか。 そんな、少し刺激的な提案がなされていた。 今回の 14番目の嘘 も、この流れと深くつながっている。 「真に豊かな人は、お金があろうとなかろうと豊かである」 「貧しい人は、お金があろうとなかろうと貧しい」 これが真実なら、「お金持ちが貧しい人に、お金をただ分け与えればよい」と
無賃飲食
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 11番目の嘘 国の健康状態はGDPなどで正確に測ることができる ここは、 お金の尺度が人間の幸せの尺度にすり替わっている という深い問題を突いている。 GDPが高くても、人々が幸せとは限らない。 GDPとは、「一定期間内に国内で生み出されたモノやサービスの総額」をお金で表したもの。 なぜ嘘なのか。 これは実例を挙げればわかりやすい。 戦争や災害で復興需要が高まる → GDPは上がる 過労やストレスで医療費が増える → GDPは上がる 森林を伐採して資源を売る → GDPは上がる 子育てや介護など → GDPで測定不能 無償の愛の労働 → GDPで測定不能 友人との支え合いや地域の助け合い → GDPで測定不能 自然の恵み、環境の豊かさ → GDPで測定不能 そもそも経済活動とは何か。 一般的な定義では、「人々が欲望を満たそうと、有限である資源を用いて財やサービスを生産し、市場取引で分配され、消費する活動」。 もっとざっくりというなら「お金を介して欲しいものをやりとりする活動」となる。 この定義を「...
「お金」から「存在」へ
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 10番目の嘘 お金は、ゴールド(金)などによって価値を裏付けられている 全力でAI様の言葉を借用させていただきます。 金本位制の時代では、「金庫にある金(ゴールド)」の量しか、お金を発行できません。...
お金と「Being」の関係
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 8番目の嘘 お金は政府や中央銀行が作っている 実は今手元に「マネー・バイアス」の本がなく、記憶のある内容で感想をまとめたい。 まず、「お金は政府や中央銀行が作っている」という言葉に含まれている感情に近い意味を考えると。...
慈悲
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 7番目の嘘 お金があれば安心だ 今回の箇所の内容とブログの内容がずれるかもしれないが、本書にある言葉と最近興味を抱いた言葉が、なんとなくつながっているように感じた。 脱線する内容になるのだけど、書き残したい。...
無条件の存在
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 6番目の嘘 私が存在しているのはお金のおかげだ タイトルだけを読むと、当たり前なんじゃないかと思える。 むしろ、「私が存在しているのはお金のおかげだ」と思っている人は、ほとんどいないんじゃないか。...
抱きしめてくれるおじいちゃんおばあちゃん
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 4番目の嘘 幸せになるには、最低限のお金が必要だ 前半では、「ピーターの法則」と「バーの法則」の紹介がある。 ピーターの法則 とは ①ピラミッド型の組織では、優秀な人は昇進する。...
貧乏人は誰か
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 2番目の嘘 お金はパワーだ 最初に大切な問いかけがある。 あなたが最も深い創造性や活力、インスピレーションを感じていたのは、そこにお金がたくさんあったからですか?そして逆に力を感じられなかったのは、お金が少なかったからですか?...
信用創造
マネーバイアス ピーター・カーニック 著 1番目の嘘 銀行は利ざやでたくさん稼いでいる ある不思議な話があります。 黒海沿岸の、すっかり寂れた小さな町。 人々は借金を抱え、生活は苦しい。 そこへある日、一人の旅人が訪れます。...


