映画「シン・仮面ライダー」
想像をはるかに超える面白さでした。
主人公は、自分の意志とは関係なく、とんでもない力を与えられる。
しかし、それは「お前が求めた力だろう」と力を与えた者から言われる。
物語はここから始まる。
自分の力を見つめ、承るかどうか。
ここの葛藤だ。
承るためには、自分との闇と対峙しなくてはならない。
犠牲者は「許せない」と言い、
子供は「納得できない」と言う。
つぶし屋は「出来ない理由」を言い、
売春婦は「生きていくには仕方がない」と言う。
1人ずつ現れる敵と対峙しながら、過去を受け入れ、与えられた力を受け入れ、一歩踏み出していく。
現れる敵も、本当は「自分の幸せ」を追求しようとしただけなのだ。
結局、自分の元型にハンドルを握られているのだ。
敵の中にある元型と対峙しながら、自分を成長させていく。
けれど、一人だと限界がある。
仲間の存在が必要なのだ。
仲間との信頼。
主人公は、積極的にリーダーシップを発揮するわけではない。
常に「呼び水」となり、仲間を変容させていく。
第2フェーズから第3フェーズへ。
第3フェーズの共通点
・自らの影に正対する
・他者をエンパワーする
・エンパワーした仲間と共創する
最終的には蛹から蝶へ変容した敵の心を溶かしていく。
敵は、蝶に変容を遂げたと思いきや、完全に変容を遂げることはなかった。
結局自分の元型にコントロールされている状態でしかなかったのだ。
いかに力があろうが、自らの影にコントロールされ、本当の眠っている力と接続できていない状態では、しっかりと影と正対し、仲間と共創した相手には敵うことはなかった。
幸せとは何か。
自分がこの世の中からいなくなったとしても、志を継承する相手にバトンを渡すことになる。
Eベクトル。
自分は何のために存在しているのか。
存在意義に目覚めた力が、自分を他者を成長させていく。
敵も味方も同居した、すばらしい人の成長と変容、共創の物語でした。
ただ、リアルな命の残酷さはある。
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