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執筆者の写真yamashina shigeru

「いただきます」「ごちそうさま」



たとえば、

彩の素敵な料理

味に深みがある料理

ご飯が何杯でもすすむ料理

お腹いっぱいになる料理

少ない量でも心も満たされる料理

いままで味わったことのない料理

 

青木さんの料理は、このすべてに当てはまらない。


素直にうまい料理だ。

お店の雰囲気、人柄、スタッフの対応、、、失礼かもしれないが全部関係ない。

料理が、素直にうまいのだ。


以下、青木さんの文章。



日本には四季があり、食べ物で旬を感じさせてもらえる。

この季節にこの魚が、野菜が、果物が。

ああ、ふきのとうが出たんだ、春だねえなんて。


その土地で収穫される旬の食材は、その土地に住む人の体に合っているのだそう。

子供の頃、漁師町に住んでいて毎日のように旬の魚をいただいていた。

田んぼや畑をもっている親戚のじいちゃん、ばあちゃんや、ご近所さんから旬の野菜を大量にいただいていた。


当時はそれが嫌だった。

毎日同じ魚、同じ野菜。

レパートリーも少なくて、またこれかと。


自分が母になり、スーパーに行くと漁獲量は減少してはいるものの魚はもちろん、お肉も欲しいものを欲しい量だけ、野菜も農業の進歩や流通の進歩のおかげで、多様なものを季節を問わず入手できるようになっていた。

同時に時々いただく地元野菜の新鮮さと、不揃い感と、味の濃さ、食べきれぬ量。


子育てが一段落していくころ、野菜ソムリエを取得するため乗った新幹線の隣に座ったおじ様に「野菜ソムリエ?大人の野菜嫌いを解決できないかい?」と聞かれた。

野菜ソムリエとして何ができるのだろう。


調理師として20年以上調理経験はあり、調理が好きだったけど自分で飲食店をしようなんてこれっぽっちも思っていなかった。

地元のイベントに参加したり、レシピを作成したり、料理教室をしたり。

大切な仲間が出来、作ったものを食べてもらえる機会が増えていった。


「美味しい、ありがとう、ごちそうさまでした。」

大切な仲間に想いを込めて作った料理へ、最高の笑顔と感謝の言葉。

自分の喜びの場所を見つけられた気がした。


 「いただきます。」

 「ごちそうさま。」


食べるということ。

人間は何のために食事をするのだろう。


お腹が空いたから、美味しいものが食べたいからなど理由はたくさん見つけられる。

人間が食べるもののほとんどは他の生き物だったもの。

ジャンクフードであったとしても、食べることに罪悪感を持たないでほしい。

人間が自分の体を成長、維持させるため様々な動物、魚、野菜の命を食べ物としていただく。


食物連鎖という命の循環。

全ての食材は命で出来ている。

だから調理中は一切目を離さない。

命が食材に代わる大切な瞬間を見逃さないため。


この命のやり取りを、食べてくれる誰かの幸せに、そして自分の喜びと幸せにできないだろうか。


仲間が考えてくれたお店の名前で、「人手間料理こあき」を開店。

常に、何のために、何をしている?を問いながら、誰かの幸せになれていますように。


 命の循環とその有難さ

 そこにある食材の

 全てを大切に愛する人に届けたい

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