玄鳥至 つばめきたる
玄鳥 (げんちょう)とはツバメの異名で、黒い鳥という意味。 冬を暖かい台湾やフィルピンで過ごしたツバメたちは、繁殖の為、春になるとはるばる海を渡って日本にやってきます。
正直、ツバメがこれほどまでに旅をする鳥だったとは、初めて知りました。
僕自身、月に一度介護施設で働いているのだけど、その施設に毎年ツバメがやってきて巣を作っている。 しかし今年からバルコニーにドアができてしまい、いつもの巣のところにツバメが入ることができなくなった。
そのことをいつもツバメの様子をみていたおじいちゃんに話す。 そのおじいちゃんは、いくら声をかけても何も話をしてくれないのだが、、。 ツバメの話をした瞬間に、雄弁に語り始めた。
「ほんの少しドアを開けてくれればツバメは戻ってくる」 「ツバメは田んぼにいる幼虫を食べてくれる」
ツバメは米などの作物を荒らさず、害虫だけを食べてくれる益鳥なのだ。 ツバメが飛来してきたら、本格的な農耕シーズンの始まりの合図。
すべてがつながっている生活があった。
【玄】 黒く染められた糸の束が吊るされた様子を表す漢字。 複雑に絡み合った黒い糸の束に奥深さを感じた人々は「玄」に対して様々な意味を見出す。 その結果、「玄」の文字は「黒」の他に「天」「天空の色」「幽遠」「暗闇」「深遠」「静寂」や「老荘思想の哲理」「森羅万象の根源」など複数の意味を含むようになった。
72プロジェクトとは、日本の七十二候に向き合い、生活の中の変化に出逢うプロジェクトです。
そのことで、
ど真ん中を生きる中で、命の縦軸を慮る。 (生まれ育たった風土と自分の関係性)
ど真ん中を生きる中で、未来への絆を深める。 (生活の中の気づきを子どもたちへ伝承)
ど真ん中を生きる中で、今に思いを馳せる。 (営みの中の小さな変化への気づきを察する)
そういったプロジェクトです。
七十二候のパステルアート ここあーと みやばやし ともこ
七十二候の書 おちゃやれ堂 中井好子
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