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  • 執筆者の写真yamashina shigeru

ど真ん中名刺WS 28

更新日:2020年5月17日




3つの意識改革、最後の3つ目です。

当たり前から有り難いへ

 

これは何を伝えたいかというと、せっかく実践を行うのであれば、もう一工夫しようということだ。


この話をする前に「エッジエフェクト」の説明をしなければならない。


エッジエフェクトとは? 湿地や森林など複数の環境が接する境界において生物多様性が増す現象など。

もう少し分かりやすく説明すると、海と陸の境界線には、両生類が生息している。

両生類は、身体機能として無駄が多く、効率も悪い身体をしている。けれども、この境界線の生物がいるからこそ、海と陸が繋がり多様な生命が進化していった。

この境界線にこそ、イノベーションを起こす効果があるというものだ。

これは、生態学の話ではあるが、社会の中や仕事の中にも同様なことが言える。


たとえば、健常者と障がい者の生活を考えたとき、この二つを繋ぐ境界線部分にイノベーションの種はある。階段はどうか、玄関はどうか、コミュニケーションはどうか。

または農家と消費者、営業と現場、行政と市民…、この二つを繋ぐ境界線にイノベーションポイントがある。


イノベーションとは、そもそも何もないところから新しいものを生み出すものではない。

すでにある2つ間を繋ぎ、劇的な変化を起こす何かを発見することだ。

2つを繋ぐといえばデザインもまさに同じ意味があり、だからこそデザイン思考が注目されるのだろう。

 

エッジエフェクトこそ、イノベーションポイントなのだ。


ど真ん中名刺WSの中の3つの円で考えると、上記の二つの円が重なり合う境界線の部分こそイノベーションポイント(エッジエフェクト)となる。

自分の置かれている情況(3つの円)の内側と外側の境界であり、かつ、2つの円が重なり合う際という特異点だ。


せっかく実践するのであれば、このイノベーションポイントで実践しませんかという提案だ。


たとえば、今なすべきことが印刷業だとする。

印刷業に本気で向き合ったときに、地域の魅力をうまく発信できていないというニーズに気づく。

であれば、must×needsで、地元の魅力的な観光地の風景を利用した絵ハガキを製作しようという企画を考える。


なるほど、確かに素敵な実践だ。

ただ、あまり驚きがないのではないか。

熱量を感じられるかどうか。


せっかくなら、もっと境界線の際(エッジエフェクト)を考える。


たとえば、地元のミュージシャン応援プロジェクトを立ち上げる。

地元のミュージシャンのオリジナルソングのPVに利用する動画を無償提供するのだ。

その動画のメイン撮影場所は、地元の観光地の風景を活用する。

エキストラも地元の特徴ある人たちをプロデュースする。


印刷会社の仕事上、動画撮影のスキルはある。

ただ映像メインの会社ではないので、動画単発の仕事依頼は多くない。

さらに、誰がどんな想いで暮らしているかといった情報も印刷会社には集まる。その情報からエキストラに適した人材を推選するのだ。


このような実践、エッジエフェクト効果が見込まれるような実践をはじめることで、いままで活用しきれてなかった職能を活用し、ビジネスチャンスや新しいスキルの向上、これまでにない人脈、またはファンサイトをどう構築していくかという次のステージなど、いろんなイノベーションが起きる可能性もある。


一見、「え、なんで印刷会社が?」と思われるかもしれないが、しっかりと重なり合う部分。

エッジエフェクト、つまり、イノベーションポイントを実践することで、社会に対するインパクト効果も大きくなる。

もちろん熱量もあがる。


これが3つ目の意識変革だ。

1、行動より実践だ。

2、実践であれば、一点突破を狙わず、もれなく全てをやる。

3、やるなら、当たり前の視点ではなく、有り難い視点、エッジエフェクトを選択する。


このエッジエフェクトには、もうひとつ重要な効果がある。

それは、境界線の際であるが故に、ここをうまく動かすことができれば、ひとつひとつの円の大きさを拡大できるということだ。



当たり前の実践も、もちろん重要だが、イノベーションポイントを発見し、実践することで、仕事に広さが生まれ、多様なニーズも見えてくる。

喜び、ワクワクも増える。


そういったポイントもぜひ意識してもらいたい。

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