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  • 執筆者の写真yamashina shigeru

アリはいつ人生を謳歌するのか

蟋蟀在戸 きりぎりすとにあり


戸口で秋の虫が鳴き始める頃。 ただ、もうちょっと遅い気もする。

朝ラン中もずっと河川敷では虫の音を聞くことができるが、大分寒くなってきて、虫の音も小さくなってきている。


キリギリスが戸口にやってくるということを聞くと、やはり、イソップ物語を思い出すのではないか。 「アリとキリギリス」だ。


夏の間、アリたちは冬の食料を蓄えるために働き続け、キリギリスはヴァイオリンを弾き歌って過ごす。 冬が来て、キリギリスは食べ物を探すが見つからず、アリたちに食べ物を分けてもらおうとするが、アリは「夏には歌っていたんだから、冬には踊ったらどうだい?」と拒否し、キリギリスは飢え死にする。

この寓話が伝えているのは、未来に向けた準備を怠るなということだろう。

しかし、最近読んだ本には別の解釈が書かれてあった。

「一体、アリはいつ遊ぶのか?」

何も準備をしていないキリギリスはよくないが、アリは人生を謳歌しているのか?

そんな解釈だ。 実は、キリギリスは無計画ではなく計画的に遊んでいるという説さえある。


本当のアリとキリギリスの実態はどうか。 キリギリスは春先に生まれ、脱皮を繰り返し大きくなり。秋の前には産卵を終えて死を迎える。4か月ぐらいの人生だ。 そう考えると、人生を楽しむだけ楽しむのも決して間違いではない。

アリに至っては、集団の2割しか働かない。有名なパレートの法則だ。

なので、実は、働き者というわけではないみたい。 アリはミツバチと同様に、ひとつのコロニーをつくり、それ自体がひとつの生命体として生きている。



【蟋蟀】 最大の謎は、この漢字にある。

この漢字は、なんて読むか知っていますか?

キリギリスを漢字で書くと、「螽斯」だ。 そう、この漢字は、キリギリスと呼ばないのである。


正解は「コオロギ」だ。

漢字は、コオロギなのだが、読みはキリギリスと読む。

謎すぎます! この謎、誰か解けますか?



#72プロジェクト 72プロジェクトとは、日本の七十二候に向き合い、生活の中の変化に出逢うプロジェクトです。 そのことで、 ど真ん中を生きる中で、命の縦軸を慮る。 (生まれ育たった風土と自分の関係性)


ど真ん中を生きる中で、未来への絆を深める。 (生活の中の気づきを子どもたちへ伝承)


ど真ん中を生きる中で、今に思いを馳せる。 (営みの中の小さな変化への気づきを察する)


そういったプロジェクトです。

七十二候のパステルアート ここあーと みやばやし ともこ

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