「幻の講話」
生きがいのある人生 森信三
いやあ、いつものことながら、うならせる文章だったので紹介します。
幸せな生活とは、生きがいのある人生を送ることだろう。
これは、ほとんどの方が、確かにそうだと答えるのではないか。
では「幸福」とは何か?
幸福というものは、これを求めようとしたらかえって得られないものであり、逆に自分のなすべきつとめを真剣にやっていれば、自然に与えられ恵まれるものだ。
なるほど。
求めるものではなく与えられるもの。
この真理を理解できるかどうかが、大きなカギになりそうだ。
では、自分のなすべきこととは何か?
①その人が自分の天分を十分に発揮し実現すること ②人のために尽くすこと
この2か条が、人生の生き方の最も根本的な原則であり、生きがいだと。 ただ、これでもまだ疑問は残る。 「我何をなすべきか」というテーマだ。
まさに、これこそ、現代を生きる人の多くのテーマだ。
ここに時代の変化がある。 つまり職業の世襲制が残ってた時代では、農家は農家、大工は大工、武士は武士と、こどものころから決まっていた。 だからこそ、育ち(幼少のころの家庭の中での学び)の時から、少しずつ将来の自分の仕事を自覚しつつ、親の姿をみながら、学んでいく。 そして、自然となすべきことが目の前にあった。 これは、幸福ととらえる人もいるだろうし、不幸ととらえる人もいるだろう。
それが明治維新で解放された。
世襲する必要がなくなったのだ。
自分の天分を発揮できる仕事とは何か?
それを誰もが探し続けることとなる。
不幸にも最後まで見つけることができない人生だってある。
ここで森信三先生が提案する適職とは思えない仕事に向き合うしかないときの解決方法だ。
①自分の仕事に対して、少なくとも他の人々に劣らぬだけ取り組むこと。自分の仕事に真剣に向き合うこと。
②人のために尽くすという方向へ情熱を振り向ける。
③楽しむことのできるものを探す。
この3つを実践すべしと。
おおお! これ、まさにど真ん中の考えですよね。
must、needs、wants
なすべき目の前の仕事に向き合い、そこから社会に貢献できることを発見し、自分の喜びも大切にして生きる。
せかっくならこの3つを掛け算しちゃいましょっていうのが、「ど真ん中を生きる」となる。
自由な選択肢があるから、いままで以上に幸福になるということではなく、 自由な選択肢があることを踏まえたうえで、なすべきことに向き合い、社会に貢献することと、自分の喜びを追求し、自分の可能性を高めるべく、ど真ん中に向き合う。
いままで、なんとなく、ど真ん中を生きるとは、みんなが考える必要はなくて、ひとつの選択肢というイメージがあったんだけど、むしろ、もっと積極的にこの生きざまを提案することが時代にあっているようにも感じた。
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