ど真ん中の仲間であり、最近よく会社に顔を出してくれる上田歯科の上田さんを取材させていただいた。
上田歯科は大正時代から続いており、現在4代目となる。
このラジオは、作業部屋に置いてあり、いまでも現役でラジオの音を聞きながら作業をしている。
他に、何に使う道具か分からないアンティークな古い用具が数多くあった。
上田くんのお話の中で一番印象的だったのが、「命のバトン」の話だ。
小学生ぐらいのときから、この命を次の世代に渡していかなければならない。
そんな想いが強くあったそうだ。
これは、単純に死ぬのが怖いという感覚とは違い、命のバトンがつながらない怖さなんだという。
なぜそういう想いに到ったのか、それは説明ができないという。
ただ、明らかに両親の想いや周りの大人からの声が大きく影響したんだそうだ。
これは、ぼくにはない感覚だった。
命を大切にすること。
命のバトンリレーを大切にすること。
この2つは、似ているようで趣が少し違う。
バトンとなると、そこには家族、子ども、血縁、継承というものが含まれてくる。
上田歯科は上田くんで4代目となる。
ひょっとすると、初代まはた二代目なのか、、、。
大きな大志を抱き、地域の健康にお役に立てるようにという、強い気持ちがあったのではないか。
もしそうなのであれば、その大志が世代を超え、しっかりとつながり、今、地域密着型の歯科医院として成立しているということになる。
歯科は、その瞬間に直してあげたら終わりということではない。
こどものときに来院し、大人になれば職場の近くの歯医者に行くようになる。
でも歳を重ねていくと、また、近所の歯医者に戻ってきてくれる。
ずっと、共に住む地域の健康を見続ける。
そんな歯医者にとって、命のバトンをつないでいくこと、事業を継承していくこと。
その重要性の中で、大きな大志をいだいた先代があったのではないか。
なんだか、上田くんと話をし、ところどころにある歴史を感じさせてくれるモノに触れていくと、時間を超えた想いが伝わってくる気がした。
人は縁をいただき、なすべきことに出会い、そこから実践が始まり、ど真ん中を生きる。
そして、大志を抱くことで大いなる循環が生まれていく。
歴史ある仕事場には、その循環があるように感じた。
場所、そのものが、ど真ん中を生きている。
Comments