編集宣言
松岡正剛 著
読了

本書には「間」について詳しく書かれてある箇所がある。
「間」とは、あるものとあるものとの間隔をさす言葉ではない。 「間」は、その内部にあるものとあるものとの両方を含意する。
「間」とは「真」であり、「対」をはらんでいる。
こういった表現だ。
「内部にあるもの」と「あるもの」とはどういうことなのだろうか。
きっと「間」に潜む見えざる価値と物理的な空間の両方を指すということなのだろう。
たとえば、柱と柱の間を考えてみよう。
このとき、その「間」には
・風が抜ける
・光が差し込む
・人が通る
・余白が美しさを生む
というような、ただ空間があるだけではなく、そこに「あるもの」が生じる。
そして、本を編集してつくるということは「間」をつくることなんだと。
間に合わすと間違い
「間に合わす」とは、「間」にあるものの充実とそれを最大限の力に変換するタイミングが適切だということ。
弓道では的を狙っている状態の「会」で、気を充実させ、今という瞬間に矢を放つ。
この「間」のタイミングがあうことで、矢はまっすぐ飛ぶ。
間違いとは、ひとつひとつの事に間違いがあるのではなく、「間」のもっている本来の力を出し切れないことなのだろう。
そう考えていくと、人生の営みの中でスペースや間を生み出すこと。
その「間」から、多くの創造性や没頭する虚時間、可能性を引き出すことができる。
ただ、「間」を生み出すことだけが重要ではなく、「間」そのものの活かし方。
間に合っているか、間違いになるか、そこに「編集」または「デザイン」という力が大いに役立つのかもしれない。
とても抽象的な話をしているように思うが、本業である名刺やデザインを作るうえですごく大切なテーマのように思う。
間隔(かんかく)
間居(かんきょ)
間語り(あいがたり)
間柄(あいだがら)
間の手(あいのて)
間がいい
間が抜ける
間が延びる
間が持てない
間が悪い
間を欠く
行間(ギョウカン)
居間(いま)
空間(クウカン)
瞬間(シュンカン)
昼間(ひるま)
眉間(ミケン)
民間(ミンカン)
人間(にんげん)
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