士は以って弘毅ならざるべからず。 任重くして道遠し。 仁以て己が任と為す。 また重からずや。 死してのち已む、また遠からずや。
高い理想を求める士は、心が広く、意志が強くなければならない。
その任務が重く、道は遥かに遠いからである。
任務の遂行には仁の実践が伴わなければならない。
なんと重いことであろう。
その責任は死ぬまで続けなければならない。またなんと遠いことではないか。
(「実践・論語塾」安岡定子著)
志を抱く大切さは、もちろん分かる。
だが、志を抱き生きると覚悟を決めた人間は、重い任務が課せられる。
その任務は死ぬまで続く。
そういう厳しい道だ。
それを理解したとしても、志を抱くか。
その道を歩むか。
そう問われている章句だ。
仁の実践
たとえば、となりで一緒に勉強している後輩がいるとする。
集中して勉強をしていてるときに、「この問題教えて」と後輩が声を掛けてきたとする。
そのときにどう対応できるか。
後輩に瞬時に心地よく命の時間を提供できるか。
どんなときでも、いつでも、死ぬまで・・・。
仁の実践を死ぬまで続ける。
その心の広さと強さを備えること。
その道を歩むこと。
それが志をいだき歩む人間にとっての任務だという。
なるほど。
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