第14講 人生の深さ
これまでの人生を振り返ると、苦しみをぐっと噛みしめた経験があまりないように思う。
子どものころ、プールの授業が嫌でどうしたらサボれるだろうかと考えていた事ぐらいだろうか。
幸いにも、すごく幸せなことなのだが、人生を深く生きる、自分の内面を見つめ、自分と同じ苦しみを感じている人の心を知るという経験があまりなかった人生のように思う。
その中でも、一番の苦しみは何だったかを考えると、夫婦喧嘩で1か月以上別々に暮らすことになったとき、「もしかすると、もう子どもたちに生涯会えないのではないか?」ということを想像したときだろう。
その次が、実家の会社の危機をリアルに知った時になる。
ただ、そういったマイナスな出来事も、「よきこと」として受け入れて生きてきたように思う。
このマイナスを苦も無くとらえ直す力は、自分の才能のように感じている。
しかし、それが、人生の深さを知るためには阻害要因になっているともいえる。
「相手を慮る」
これは生涯のテーマだ。
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