top of page

不滅の火は、誰のものか

  • 執筆者の写真: yamashina shigeru
    yamashina shigeru
  • 7 時間前
  • 読了時間: 3分

修身を学ぶ会富山

第3講 古人に学ぶ


森先生の言葉に触れると、自然に心が熱くなる。



われわれがこの二度とない人生を、真に徹底して生き抜こうとすると、何よりもまず古人に学ぶ処がなければならない。


偉人とは、永い生涯を、真に生命がけで徹底的に生き抜いた人々だ。


真の精神的な偉人、その志は、単に50年70年という、この肉体の呼吸している間だけでは、とうてい満足できなかった人々だ。


真の教育者と言われるためには、どうしても相手の心に、不滅の火を点ずる者でなくてはならない。しかも相手の心に不滅の火を点ずる為には、何よりもまず自らが不滅の精神に生きる者でなくてなならない。



今回の講には、力強い言葉が並ぶ。



さて、ここ最近「自分とは一体誰なのか」というテーマを考える機会が多い。

何か深い悩みがあるのではなく、根っこを学ぶ勉強会によく参加するからだろう。


そういった勉強会に参加していると、一つの方向性として、自分とは本当に存在しているのだろうか、自分と自分の環境は不可分な関係ではないか、さらには、自分とこれまでの世界の歴史とも繋がっている、そういった感覚を手に入れることができる。


すべてはつながっている。


この個が全体に溶け合う感覚は、対話をしていく意味だったり、他者とのつながりの重要性に気づく大きなヒントになる。



その反面、今回の講にある言葉を借りるとするならば。

「自分の何時死なねばならぬか分からぬということを覚悟しながら、最後の一呼吸まで、自己の行くべき道を歩み通す」

という精神性を忘れがちになる。



ここから先の内容は、みんながそうだと言いたいわけで決してなく、僕個人の問題に起因している。


先ほど、「忘れがち」という言葉を使ったが、もう少し言い換えると。

すべてはつながりあっているという世界観に浸ってくると…。

油断すると、自らが携えている不滅の火の価値を軽んじてしまいそうになる

不滅の火の所有権は明らかに自分にあるにも関わらず、所有から共有へとシフトさせることをよしとする感覚。

これは、僕の場合、逃げているという感覚に近い。

自分の責務からちょっと逃れたいという弱さが潜んでいるように思う。


くどいようだが、「すべてはつながっている」という感覚は、大好きだし、本当にそうだなと思っている。全く否定する気持ちはない。



ここで、「日本人は」という言葉を利用することが、どうしても違和感を覚えるし、あまりいいとも思わないのだけど…。

やっぱり使っちゃうと。


日本に戦前に息吹いていた森先生の言葉のカケラから伝わる「人生二度なし」「志」「不滅の火」といった気概。

そこを土台として、深めていった先にある「すべてはつながりあっている」という感覚。


西洋哲学、科学の世界の中から深めていった先にある「すべてはつながりあっている」という感覚。


これは、似て非なるものなのではないか。

日本に生まれ、当然としてある生活の中にある感覚の価値の大きさよ。


実は、この微妙なんだけどすごく大きな違いを日本人が理解し、それを世界に繋げていくこと。ここに、何か大きな可能性を感じるのだけど。


和食の良さも

アニメの良さも

お笑いのクオリティも

ローカル文化の価値も

みんなここにつながるように思ったりするのだけど。


言葉にすることはできない。

単なる思い込みかもしれない。

言葉遊びに興じているだけ

最新記事

すべて表示
言葉の奥にある重みにたどり着く。

修身を学ぶ会富山 第7講 大志を抱け 「立派な先生になる」など、ていのよい逃げ言葉だ。 今回は、この言葉に心が動いた。 便利な道具が目の前にあると、どうしてもそれに頼ってしまうものだ。 そのひとつに、AIがある。 言葉にできそうで、できないこと。...

 
 
 
意図せず世代を超える

修身を学ぶ会富山 修身教授禄続 第2講 立志 「死後に生きる」というテーマに対して、すごく共感していた時期があるのだが、一度躊躇した時がある。 「人生二度なしという覚悟で生きているが、死後に何かを残す生き方は選びたくない」 そんな声を聴いた時だ。...

 
 
 
醜さ

修身を学ぶ会富山 第6講 意地と凝り性 ひとかどの人間になる人は、小さい頃から、いろいろその特徴がある。 それが、「意地」と「凝り性」だということ。 ただ、どちらも、そのままだと、他者との比較の世界だったり、 醜い人間の欲望 である。 それを純化させていくことが大事だ。...

 
 
 

Comments


bottom of page