物語を創造する、物語に貢献する VOL1
東洋思想専門家であるパーソナルコンサルティング Sure,の久保有規依さんと対談。
久保さんのHP
前回からのつづき
(久保) 世界記録を出すようなアスリートとインタビューの言葉は一致していると思っている。
身体を使った能力の結果、つまり、向き合ってきたことの表面的結果と、突然マイクを向けられて質問されたときに発する思考の上澄みである言葉。
身体を動かしている思考と、言葉を司っている思考がひとつになっている。
ここが一致していることが大切。
それに比べ、安易に「言挙げ」してしまう人は、自分はひとりでやっているといった慢心があるのだと思う。
いろんなことを極めていくと、身体は借り物だと認識できるし、周りの人がいるおかげということも理解できる。
しかし、多くの人は自分と誰かとの関係を見える化しようとする。
それに左右されない生き方が大事なのだろう。
(山科)
言葉の奥深さを感じる。
(久保)
言葉は奪われるものではないし、奪うものではない。
神はなぜ人に言葉を与えたのだろうか。
(山科)
あるコピーライターが書かれた本に
「言葉には、過去か未来が付着している。今を生きようとしても、言葉があるから、過去や未来に意識が飛んでしまう。」
また人間の脳の特性として、目の前にある者を理解するためには「分ける」ということをしなくてはならない。
「分ける」ことで理解がすすむ。
「A」と「A以外のもの」というように。
そのときに、「A」に言葉を与えることになる。
つまり、言葉を使う以上、分け続ける行為であり、結果的に差別はいつまでたってもなくならないのかもしれない。
(久保)
確かに、誰かの言葉に強さを感じるときは、「分けられる」という感覚を与えられる。
私は体験を中心で生きてきて、言葉を知らなかった。
そこから10年かけて言葉を学んできた。
そのときに言葉は区分けされているということを知り、言葉のいい面と悪い面に気づいた。
だから、抽象的な言葉が好きなのかもしれない。
古文・漢文の世界のように、一文字一文字を調べて、この言葉は何を伝えたいのかを調べるぐらいのほうが、平和な世界なのかもしれない。
言葉を育てるのは大切。
定義を育てる。
だから、書物が必要だし、言葉を探究していきたいなと思う。
(山科)
印刷の仕事は、まさに言挙げの仕事。
特に名刺は。
その人の言葉を限られたスペースに圧縮し、手の中に納まるカタチに残すことになる。
そう考えると印刷は責任ある仕事だなと。
(久保)
印刷と言葉は、九紫火星と一白水星。
水と火。
水は、はじまり。
火は、明確にするもの。
Comments