想いはこうして紡がれる
ザ・ピープル前理事長
ふくしまオーガニックコットンプロジェクト代表理事
吉田恵美子 著
読了

「古着を燃やさないまち」を実現した33年の市民活動を通して伝えたいこと
副題にあるように、30年間以上の市民活動を紹介してくれている。
こころにとまった箇所を紹介したいなと思う。
いま、あなたが蓋をしている自分の気持ちに、耳を傾けてください。 人の、まちの、社会の変容は、そこから始まります。
ほんとうにそうだなと思う。
でも、すごく難しいのは、自分の気持ちを閉じ込めている「蓋」の存在に気づくことができるかどうか。
気づいたとしても、その蓋を開けるための力があるかどうか。
蓋を開けたとして、変容するためのエネルギーがあるかどうか。
そして自分と社会とのタイミング。
すごく難しいことだとは理解しつつ、そんなに悲観するこでもないように思う。
思いもよらない小さな工夫やヒントが、一気に蓋を開ける力になることもある。
ひとつのヒントとして「言葉」がある。
当たり前のように使っている「言葉」を変える。
人は、どうしても言葉から大きな影響を受けている。
本書で紹介されていたのは
古着を「資源ごみ」とするのではなく、「寄付」ととらえ直すこと。
それが人の行動を変えたりする。
最終的に「文化」にしていく。
これはほんとうにすごいことだと思う。
ぼくはどうだろう。
この年齢になってもまだ漠然としているのが、多くの方の「蓋」をつくり出す原因になっていることを少しでも壊すことができるといいなと思う。
そうすれば、分厚い重たい蓋が減るのではないかと。
仕事と社会貢献とワクワクが分かれていること。
これをひとつとして生きる。
ど真ん中を生きる生き方が、もう少し当たり前の社会になるといいなと思う。
「いのちの声」を聴き、自分が聴いた小さな違和感にしっかり対峙し、文化にまで成長させる。
そのためには、仲間と対話はすごく大事になってくる。
そして、忘れがちなのがお金のブロックを外すこと。
お金に関しては、「ソース原理」を学んでいくなかで、はじめてその大切さを知った。
現代に生きている以上、どうしても「お金」に対して、物語を付与してしまう。
このお金に投影している物語を溶かしていくこと。
これは自らがソースとなり、ビジョンを実現させていこうとしたときに、すごく大切なテーマになってくる。
なぜか。
ビジネスとしてお金の知識が強くなければならないということではなく、お金に投影している物語があることで、自分の影(シャドー)にハンドルを握られ、正しい判断ができなくなる。
その自分の影(シャドー)に向き合うことも、本書ではしっかりと書かれてある。
これは、本に残すという行為を通して、自分の影(シャドー)に向き合ったはずで、向き合った人にしか分からないすごく大変な作業だったに違いない。
さて、ひょっとしてこの本の感想としては、ズレているのかもしれないが、ぼくが一番心に留まったことは、別にある。
それは
「能」
「歌」
「信仰」
だ。
本書には若い時に「能」に夢中になったことは書かれてあったが、「歌」についたは記載はなかった。
ただ、ひとつだけ自分の気持ちを詠んだ歌が紹介されている。
さらりと書かれてあるだけなのだが、歌がそんなふわっと生まれることはない。
身体知、発声、言霊、日本文化の深いところの「なにか」を探究し実践していたのではないか。
この言語化が及ばない体験とそこで得た確信が、著者にある「蓋」を開ける力となり、変容するためのエネルギーのひとつになったのではないか。
ここは、ぼくの勝手な想像でしかないのだけど、なぜかそんなことを感じた。
また、もしそうなのであれば、「ここ」の感動を共有する友はいたのだろうか。
この共感されにくい、言語化しにくい心を語る世界を残すことも、大切な気がする。
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