人と禽獣と異なるゆえん
ある生命科学者の話の中に、人類がこれだけ科学を進化させ、世の中の不思議に目を向け新しいことを発見しつづけているが、その学びの蓄積がDNAに書き加えられることはない。
つまり、人類は、赤ちゃんから何度も何度も学び直していくことしかできない。
DNAや本能に、数千年なのか、数万年なのか、大きな変化が起きていないにも関わらず、知を蓄積し、知のリレーを繰り返すことで、現代のような文明を築き上げることができた。
これはまさに、人間の反省知と自覚知の積み重ねの結果なのだろう。
もし、これまでの我々が知る蓄積した知が、何かのキッカケで消えてなくなった時、人間は、獣と変わらない生活を続けることになるだろうか。
いや、地球という惑星が存在する限り、人間は、何度も何度も立ち上がり、文明を築く力があるように思う。
ここにこそ、人と禽獣の違いがあるのではないか。
生きる力とは、何度でも立ち上がれる力なのかもしれない。
未来に希望を抱いて。
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