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執筆者の写真yamashina shigeru

どんどん増えていくもの。

今日は2か月ぶりに親子論語塾。

安岡先生からいろんな話を聞かせていただいた。

その中から2つ紹介したい。


たくさんの子どもたちに向かってひとつ質問をされました。


「私は今、持ちきれないほどのたくさんの箱を抱えています」

「大きい箱から小さな箱まで、いろんな箱があります」

「その中にはいろんなプレゼントが入っています」


「さて、この箱をみんなにひとつずつ、みんなにプレゼントしました」

「すると、私の手の中の箱はどうなりましたか?」

 

子どもたちが、「なくなる」と答える。


「そうですね。」

「では、私やみんなの心には仁があります。思いやりの心です」

「悲しそうにしているお友達に、大丈夫って声をかけます」

「ひとりでできないことがあるのだったら手伝おうか、って声をかけます」

「みんなに思いやり(仁)を分けます」


「さて、質問です。」

「私の仁は、なくなりますか?」


子どもたちは「なくならない」と答える。


「仁は、なくならないですね」

「ある教室で同じ話をしたときに、増えると答えた子がいました」

「世の中には、どれだけ分け与えても減らないもの、減るどころか増えるものがある」

「論語にはそれを説明してくれている章句がいっぱいあります」


こんなお話だった。



曾子曰わく

君子は文を以て友を会し

友を以て仁を輔く


君子は、友達と一緒に学び合うことで、どんどん思いやりの心が育まれるという論語だ。


世の中は、目に見える世界と目に見えない世界があり、目に見えない世界のほうがより広く深い。

そして、目に見えない世界では、みんなに分け与えれば分け与えるほど、増えていくものがいろいろ存在する。

これから大人になっていく中で、そのことを覚えておくことは、すごく大切なことだよと語ってくれた。



人に分け与えるても減らない、むしろ増えるという価値が世の中にあるということ。

これは、いままの社会では、適切に認識されていなかった。

資本主義経済の中では、数値化できないものを評価または流通にのせることができない。

なので、社会システム上、この目に見えない価値は無視され続けた。

それが変化し始めている


・シェアビジネス

・クラウドファンディング

・プロセスエコノミー

といった新しい言葉の中に、この人の心が反映されはじめている。


また、膨大な個人の情報を扱うことができるようになり、それがブロックチェーン技術により個人に紐づいて数値化できるようになると、これまで無視されつづけていた目に見えなかった価値が見える化し始めている。


すると、使うと減る(1-1=0、1+1=2)という当たり前の公式が適用できない世界が誕生し始めている。

これが、最近よく話題となるポスト資本主義の議論の根底なのだろう。

この世界をどう扱うべきか、、、。



さて、もうひとつのテーマはこの論語だった。


子曰わく

道に志し

徳に拠り

仁に依り

芸に游ぶ。


安岡先生は

「最近、大人向けのセミナーもするようになったのだけど、どれだけカタカナを利用していろんな説明をしても、結局、この論語ひとつがすべてを表しているのではないかと思えるようになった」

と。


ビジョンが大切だと語られるが、それ以上に奥深い言葉「志」のほうが大切なように想う。

そして、志を歩もうとしたときに、大事なのは、自分で考え自分で選択する人生を歩むこと。

そうすれば人のせいにしなくなる。

それが「徳」で判断するということだ。


次のステージは、組織はチームワークになる。

これは「仁」をお互いに大切にして実践していけばいい。


そして最後が「芸」。

芸とは、心のゆとりをつくるということ。

どんなに正しくてすばらしいことをしていたとしても、心にゆとりがなくてはならない。

この

志、徳、仁、芸

この順番の説明と、ビジネスのプロセスが同じだと。


確かに!



今日の論語塾では、お寺の畑にもみ殻を撒く作務を行いました。

 




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