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ガイアと因果

朝活大学素読会


詩に云わく、殷の未だ師を喪わず、克く上帝に配す。

儀しく殷に監みるべし、峻命易からずと。

衆を得れば則ち國を得、衆を失えば則ち國を失うを道う。

是の故に君子は先ず徳を慎む。

徳有れば此れ人有り、人有れば此れ土有り、土有れば此れ財有り、財有れば此れ用有り。


徳は本なり。財は末なり。


本を外にして末を内にすれば、民を爭わしめて奪うことを施す。


是の故に財聚れば則ち民散じ、財散ずれば則ち民聚まる。

是の故に言悖りて出ずる者は、亦悖りて入る。貨悖りて入る者は、亦悖りて出ず。



詩経に書かれてある。

殷の時代に善政を施した君子は人望もあり天からも愛された。

しかし、君子が変わり暴政に転じれば、人望は失われ滅亡する。

天の大命はそうやすやすと降りるものではない。

衆望を得れば国を得、衆望を失えば国を失う。


だからこそ、君子は徳を慎んで積む。

徳があるところに人は集まり、人が集まれば土地が拓く。

土地が拓けば、そこで財となる生産が生まれる。

そうなれば、活気が生まれる。


徳が本で、財が末なのだ。

本と末が逆になれば、民が争い奪い合うようになる。


同様に、税を厳しくすれば民は去り、財を活用して民のために使えば、民は集まる。

同じように、道理に反した言葉を吐けば、同様の暴言が戻ってくる。

無茶にお金を稼いでも、急にお金が出ていくことになる。



ここでいう「徳」とは何か。



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伊與田先生の解説によると、道を素直に実行したときに、与え残るもの。

つまり、実行の伴わない徳はない。


今回の箇所を読み感じたことは、2つの因果があるということ。


自分の行いが自分に戻るということ。

良いことも戻るし、悪いことも戻る。

ただ何が良いことなのか。


自分にとっていいことなのか。

地域にとっていいことなのか。


徳もいうなれば、自分の言動に対して戻ってきた天からの贈り物とも言える。

では徳につながる道とは何か。

ここに問いが戻るように感じる。


もうひとつは、自然に発生するヒエラルキーの中で、リーダーの立場にいる因果の影響が、リアクションとしてリーダーの下にいる人に影響を与えているということ。


そういう因果の関係の中で世の中が成り立っているのかな。


ちょっとここでは記さないが、今読んでいるラブロック博士のガイア理論につながる。

これは本を読み終えてから記したい。



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