修身教授録
第35講 為政への関心
教育と政治。
この二つは正直、今まで繋がっていなかった。
それはぼくだけではないのではないか。
もしかすると、そのこと自体が今の日本の問題なのかもしれない。
歴史を振り返ると、偉大は教育者の多くは、政治を志していたという事実も気づかされた。
人間救済の情熱は、これを大別するとき、結局、政治と教育という二つの現れ方をするといってよいでしょう。
すなわち政治は外を正すことによって、内をも正そうとするものであり、教育はこれに反して、内を正すことによってついには外をも正そうとするものであります。したがってその現れる方向こそ違え、政治と教育とは、本来不可分のものでなくてはならぬはずであります。
では、人間救済とは何だろう。
人が人を助ける。それはすこし傲慢なようにも感じる言葉だ。
弱き者を助けることは、救済になるのだろうが、それだけの意味ではないように感じた。
つまり、
教育とは、志を抱かせることであり、その人の魂に火をつけること。
政治とは、志を抱いた誰もが、胸を張って歩め、いくつになろうがチャレンジできる社会に整えていくこと。
それこそ人間救済の道であるのではないだろうか。
本来、教育と政治はコインの表と裏のような関係なのかもしれない。
何が正義であり、何が公平であるかを議論することも重要ではあるが、政治を志す者が、教育と政治の関係をどのようにとらえているか、また、ひとりの志をどう大切に思いやり、カタチにしていくのかを真剣に考えているか。
そういった視点を持つことで政治に興味をいだくことができそうだ。
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