どう生きるか
つらかったときの話をしよう
野口 聡一 著
読了
宇宙飛行士の野口さんが、宇宙でのミッションを終え、その後10年ほど苦しんだ経験と、それをどう乗り越えたかを伝えてくれる本。
まず、「当事者研究」という分野があることを初めて知った。
当事者研究とは、障がい者や依存症などの患者自らが研究者となって、支援や制度設計に携わっていくもの。
野口さん自身も、自らの苦しい体験を当事者として向き合ってきた。
まさに本物の宇宙よりも広く深い、自分の中にある宇宙と向き合うことになる。
その当事者研究で学んだひとつが、「ナラティブ・アプローチ」だ。
自分という物語に、どう客観的に向き合うか。
自分は、どんな物語を創造し、その中の主人公を演じているのか。
それを言語化していくことで、物語を客観視し、自己理解を深めていくことになるのだろう。
これは、まさにど真ん中エディットワークでやろうとしていることにすごく似ている。
決してこれがすべてだということではないし、物語にばかり執着する必要もないと思うが、それでも、自分の物語をどんなものだと認識しているか、点を線にして編集していく作業は、今まで見えなかった価値や気づきを与えてくれる。
本書にはマズローの欲求5段階説についても紹介されていた。
その一番最上位にある自己実現欲求について、解説があった。
マズローの欲求5段階説は、これまでも何度も耳にしたことがあるが、あまり興味を感じたことがなかった。
しかし、今回本書に書かれてあった内容を読み、改めて興味を抱くことができた。
それは、自己実現欲求の意味だ。
自己実現とは、偽りのない、ありのままの自分として可能性を最大限に発揮すること。
いままで、自己実現という言葉を聞くと、なんか目標を達成するとか、成長するという、表面的なイメージが強く、あまり本質的じゃないなと感じていたんだけど、本来の意味を知り、すごく興味を抱いた。
では、自分の可能性は何か
自分の得意なこと
自分の好きなこと
それが結果的に社会的に必要とされること
それを見つけ、他者から与えられるミッションではなく、自分の人生のミッションをみつけようと。
これは本当に共感する。
まさに、自分のど真ん中は何か?
それを見つけ、その実現のために動いていく。
それができれば、他者評価や社会の評価に左右されないようになる。
また苦しい時期もきっとあるのだろうが、ど真ん中があることが、自分の支えとなる。
それは一体何なのか。
弓道
修身
養蜂
対話
ど真ん中
こういった言葉が、ぼくの頭に浮かんだ。
「誰もがど真ん中を生きる道をいつからでも選択できる社会」
すべての人が持つ「物語を生み出す力」と「物語に貢献する力」を掘り起こし、分つ世界から、複数の価値を許容し才能を高め合うエコシステムを構築する。
日本発!百姓2.0的生き方。
これが、現段階でのぼくのビジョン(大志)になる。
そのためのミッションとして
個々それぞれがど真ん中を生きながらも、繋がり合うコミュニティの実現のために、どういった考えが必要になるのかを探究すると同時に、小規模の実験を行う。
だ。
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