世界2.0 メタバースの歩き方と創り方 佐藤航陽 著 読了
気になっていたメタバースの本、読了。 ど真ん中の隔たった視点で申し訳ないのですが、少しだけ解説。
メタバースという仮想世界を創造するということは、つまり「神の民主化」だと。
だれもが創造主になれる時代が到来することになる。
では、仮想世界は何で出来上がっているかを考えた場合、当たり前の話だが、現実の世界は何で出来上がっているかを考察しなければならない。
つまり、世界は、「空間」+「生態系」で出来上がっている。
仮想世界を作る場合も、単純に「空間」を作るだけでは成立しない。
この「生態系」を作らなければならないということだ。
では、生態系とはどんな特徴があるのか。
1,自律的(指示なしで動く) 2,有機的(目的に向かって共働する) 3,分散的(中央集権ではなく補完システムである)
この3つを併せ持った「場」を作っていかなければ、リアリティがなくなるということだ。
実は、これは、チームの作り方、組織の作り方に、そのまま適用できる内容だ。 この生態系を作っていかなければならないという視点こそ、メタバースで重要になるところなのだろう。
そして、ここからがさらにオモシロイ!
では、生態系の役割とは何か。 それは、価値交換の場であるということだ。 現実世界では、この価値交換を資本主義というシステムを利用して運用されている。
この価値交換される価値は、3種類ある。
①実用的価値(儲かること、役立つこと) ②感情的価値(共感できること、ポジティブ) ③社会的価値(世のため人のためになること)
資本主義経済では、①が一番価値が高く、②③と下がっていく。 これが社会が成熟するにつれて、③や②の価値が高まっていく。
この価値のやり取りをする場こそ、生態系であると。
まとめると、メタバースを作るということは、ただ空間をつくればいいということではない。
生態系をつくり、価値の提供と共に、価値交換できる場であることが重要だということだ。
では、メタバースが当たり前となり、誰もが世界を創造できる力を手に入れた社会になったとき、人はどう生きるかという話だ。
著書ではこう説明されている。
これからは、役に立つ、儲かるといった「実用的な価値」と、人々の共感を呼び込む「感情的な価値」、社会全体にとってプラスであるという「社会的な価値」のバランスを取ることができる人が活躍していく時代になっていくでしょう。
「好きなことをやって生きていく」からさらに一歩進み、「なりたい自分で生きていく」という流れに変わる。
自分が世界の創造主になれるということは、まさにこういうことだ。
好きなことをやって生きることは当たり前にできることであり、そうではなく、自分は何者だということが問われる時代になるということだ。
自分の物語が必要となる時代だろう。
そして、生態系の中でやり取りされる3つの価値すべてにかかわることができる生き方こそ活躍できると。
これはまさに「ど真ん中を生きる」ということ。 ①仕事 ②社会貢献 ③ワクワク この3つを掛け合わせた生き方が、ど真ん中の生き方。
それを表現したものが「ど真ん中名刺」だ。
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