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今日をどう生きるか

マネーバイアス

ピーター・カーニック 著


23番目の嘘

年金と貯金があれば老後が安心


毎度のことなんだけど、AIにお世話になりつつ内容をまとめたい。

特に今回、年金のシステムのことをこれまであまり理解しようとしたことがなく、本文だけではなかなか理解できなかった。


家族が仲良くあること。

ど真ん中を生きる仲間と繋がる。


この2点を大切にできるといいなと思っていて、実際の年金の問題を考えたことはなかった。


今回の章は、「老後の安心」と聞くと


「いくら貯めればいいのか」

「年金はいくらもらえるのか」

「どんな金融商品で運用すればよいのか」


という、お金の「量」の話がメインになるのではないか。

しかし本書は、その前提そのものを問い直してくる。

「年金と貯金があれば老後は安心」という嘘を支える、4つの問題を挙げている。


1.人口動態の変化


これは比較的わかりやすい。

年金受給者が増える一方で、それを支える現役世代の人口は減っていく。

少子高齢化という言葉で何十年も前から語られてきたことだ。


つまり、支える人が減り、支えられる人が増える。

この構造だけ見ても、制度に負荷がかかることは明らかである。



2.複利によって加速する再分配の効果


まず「複利」とは、利子にさらに利子がつくこと。

時間が経てば経つほど、増え方が加速していく仕組みだ。

一見すると、とても魅力的な仕組みに見える。


しかし、その恩恵を受けられるのは誰か。


若いうちから投資できる人。

すでに大きな資産を持っている人。


そういう人ほど、複利の恩恵を受けやすい。


一方で、


生活に追われて貯金できない人。

年金だけに頼らざるを得ない人。


そういう人は、その恩恵を受けにくい。

つまり複利とは、「時間が経つほど格差を拡大する装置」にもなり得る。


本来、年金制度は「みんなで支え合う」仕組みのはずだ。

しかし、その中に複利が入り込むことで、助け合いの仕組みの中に、格差を広げる力が入り込む。



3.年金基金の資金が、実質的な富を創出していない


年金基金は、巨大なお金を運用している。

その資金は、株や債券、不動産、ファンドなどに投じられる。


問題は、その多くが「お金がお金を生んでいるだけ」になっている可能性があることだ。

たとえば、


工場を建てる。

農地を増やす。

教育を充実させる。


こうしたものは、社会に新しい価値を生み出す。


一方で、


株価が上がる。

債券の利回りが増える。


これは数字が増えただけで、社会に新しい価値が生まれていないかもしれない。


つまり、未来の安心を支えるためのお金が、「未来を育てる」のではなく、「数字を増やすこと」に使われているのではないか。


これは、年金を運用する側からすると、「社会に新しい価値を生み出す可能性に投資したいが、もし失敗でもしたら誰が責任をとるのだ」と反論されるだろう。

あたかも正論のように思えるが、この思考自体にマネーバイアスがあるように思う。



4.変性疾患・技術進歩・平均寿命の延伸


昔の年金制度は


60歳前後で引退し、

その後の人生はそれほど長くなく、

医療費も今ほどかからない、


という前提で設計されていた。

しかし今は違う。


平均寿命は延び、

認知症などの変性疾患は増え、

医療技術の進歩によって延命も可能になった。


つまり、長く生きること自体が、高コスト化している。

制度が作られた時代と、前提条件そのものが変わっているのだ。


ここまでをまとめると、


人口動態 → 支える人が減る

複利 → 格差が広がる

資産運用 → 実体経済と切れる

長寿化 → 必要なお金が増える


という構造になる。

つまり、「もっと貯金しなければ」では、根本的な解決にはならない。


では、本当の問いは何になるのか。

それは、「安心とは何か」という問いだ。


お金の量なのか。

健康なのか。

関係性なのか。

生きがいなのか。


本書の結論は、とてもシンプルだった。

平穏な老後を支えるのは、


1.心の調和

2.健やかな身体

3.人とのつながり


そして、それを毎日積み重ねていくこと。

これは「老後」の話をしているようでいて、実は「今をどう生きるか」を問う言葉でもある。


1.心の調和


「こうあるべき」と「本当はこうしたい」がずれていると、どれだけお金があっても不安は消えない。

逆に、自分の中に静けさがある人は、必要以上に未来を恐れない。


この本で繰り返し語られてきた「本当の自分に立つ」というテーマそのものだ。



2.健やかな身体


健康は、当たり前すぎて後回しにされやすい。

しかし身体は、


歩けること、

会えること、

笑えること、


そのすべての土台だ。



3.人とのつながり


多くの研究でも、幸福や長寿に最も影響するのは人間関係だと言われている。

孤独は、お金では埋まりにくい。


困ったときに頼れる人がいる。

自分を必要としてくれる人がいる。

それだけで、人は生きる力を取り戻す。



心(内側)

身体(内側と外側を繋ぐ)

関係性(外側)


この三つが調和していること。

それは老後になってから準備するものではない、ということ。

60歳から始めるものでもない。

今日の生き方が、そのまま未来になる。


だから問いは、「老後のために何を貯めるか」ではなく、「今日、何を積み重ねるか」になる。


心の静けさを積み重ねるか。

身体へのいたわりを積み重ねるか。

人との信頼を積み重ねるか。


その総和が、老後の安心になる。

今日、この瞬間、何を積み重ねただろうか。

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