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執筆者の写真yamashina shigeru

価値観は継承し、ビジョンは進化する

すべては1人から始まる

トム・ニクソン 著

 

この本をベースに勉強会をしています。


第18回目

みたらしソース部


15 ソースの継承



前任のソースから、後任のソースへ継承するときに、どういった原則があるのか。

10の原則を紹介する。



①形式的な役割とは別次元のプロセス


ソースの役割とは、「組織」の一部として存在しているわけではない。

形式的な肩書や不動産の所有者とは関係ない。

社長だからソース、所有者だからソースということではない。

人が後から貼り付けたラベルに左右されてはいけない。



②個人から個人へ


エゴを緩和させるために、ピラミッド型の組織からネットワーク型の組織に変換していこうとする動きがある。

そのときに、権威や権力の分散を望むのだが、それだけだとうまくいかない。

ソースは、個人から個人に対してのみ引き継がれるものであり、グループへ引き渡したりすることはできない。



③置き去りにして拾い上げる


ソースがエネルギーが尽き、ソースの役割を「置き去り」にしたままいなくなるケースがある。

その場合、後任者が「拾い上げる」ことは可能。

しかし、その場にはいないソースの権威や影響は残り続ける限り、多くの問題が発生する可能性がある。

そう考えるのならば、ソースとしてクリエイティブフィールドから去る流儀も大事になりそうだ。

現実的には、自分と向き合うことになるはずで、なかなか厳しいテーマでもある。



④後継者は自然に現れる


ソースが誕生する瞬間は、自分の内なる命の声を聴き、ビジョンを描き、リスクを背負ってでも動きたいという欲求に身を委ね、一歩踏み出す。

ソースの後継者も、同様なステップで発生することを考えると、前任者からすると、誰が後継者になるかは自然に任せるしかないし、コントロールできないことが分かる。


しかし、下準備はできる。

ここで問われているのは、「委ねる」の実践である。



⑤相互同意


継承は、双方が心から同意している場合にのみ完了する。

ソースの役割は強制的に奪えるものではない。



⑥特別な瞬間


たぶん、この⑥がソース原理ならではの原則のように思う。

ソースの継承の瞬間は、前任者にも後継者にも特別な瞬間として記憶されるはずだ。

前任者と後任者の2人の間でしか分からないエモい瞬間がある。



⑦価値観は継承し、ビジョンは進化する


あらゆるビジョンには、ソース自身の意識の深層にある性格や考え方に由来する深い優先順位がある。

こうした優先順位は「価値観(バリュー)」と呼ぶ

何を一番大切にし、二番は何か。

そういった優先順位=価値観が継承される


ビジョンこそ不変だと思いがちだが、そうではなく、ビジョンは常に進化していく



⑧短所や問題も引き継がれる


たとえば、ソースが創り上げた「文化」。

文化とは、ソースのシャドーを制御するための暗黙のルールとするならば、ソースが変わることで、ソースのシャドーの特徴も変化するはず。

そのときに、前任者のときの文化(シャドー制御装置)が、後任者にとっては毒になる可能性もあるのでは。



⑨継承はやり直せない


新しいソースはイニシアチブにおける創造に向かうエネルギーをすべて手にする。

もし、後任者がビジョンを示そうとしたとき、前任者に頼りすぎる傾向がある場合は、継承プロセスが完了していないかもしれない。

つまり、⑥のエモい瞬間がないまま、継承が終了したと思い込んでいる可能性がある。



⑩ソースの死亡後の展開はわからない


継承がなくソースが死亡した場合、クリエイティブフィールド内で何が起こっているかを感じ取り、直感に従って次の行動をとり、進みながら調整し、学んだことを共有していくしかない。

つまり、混乱することだけが確定している。

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