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執筆者の写真yamashina shigeru

個、組織、場

第28講 一人一研究


最近、ちょうどこのことを考えている。

自分が生涯探究したい研究は何なのか。

まだ出会えていないかもしれないし、すでにそれはここにあるかもしれない。


これまでの人生を振り返ってみると、これまで3つの研究をしてきたように思う。


一つ目は、「場」の力についてだ。

小学校から高校まで、自分が所属していた部活は、「常勝チーム」といっても過言ではないチームだった。

小中は、地区では2位というポジションに甘んじてはいたが、伝統ある歴史とそこから後押しされる「場」の力があった。

当時は理解していなかったが、今振り返ると、周りにいる指導者や大人が、元日本代表選手という大人がごろごろいる環境であり、練習は厳しいのは当たり前だが、自主性を重んじられ、強制されているという感覚は全くない練習だった。

その「場」の力が、明らかに影響を与えており、いつのまにか、全国に出場しても通用するプレーを身につけることができていた。

いつのまにか、のすごさ。特に努力したという感覚がない。

この不思議さよ。

 

高校は、県内では3年間負けたことがないチームだった。なので、試合でどの会場にいこうとも、常に一目置かれている立場で、これは自分たちの能力以上の価値が生まれる。

試合になると、どうしても相手は苦手意識、勝てないという感覚があり、こちらは、負けるわけがないと意識がある状態。

この意識の差が、勝負ではすごく効果的だった。

これも「場」の力だ。風土の力とも言えるかもしれない。


それが、大学に入ると一変。弱小チームで負けて当然という空気がある状態だった。

そのとき、気づいたのだ。「場」の力。

自分が知っている「場」が、このチームにはないと。

 

その「場」の研究を現役時代に文章化をし、それを教材として冬合宿を行った思い出がある。



次の研究が「組織」についてだ。


これは大学を卒業してから、大学のチームのヘッドコーチをさせてもらうことになり、現役時代の反省も踏まえ、しっかり結果を出していくために、どうのように組織を作り上げていくか。

ここに集中してエネルギーを注いだ。

リーダーの役割、リーダーの影響力がどれくらい強いか。

学年ごとに学ぶべき基準をどう設けると、次世代につながるような循環を生み出せるか。

戦術と戦略、ルール、特に、チーム内で利用する言葉の定義をどう定めるか、など。

運もあったのだろう。4年連続リーグ戦優勝することができ、組織を変えることで、新しい「場」を生み出すことができた。



次は「個」の研究だ。


これは、今も進行中だが、ど真ん中名刺を始めてからだ。

個が力を発揮するためにはどうすべきか。生きると働くをどうすれば一つにして、矛盾のない人生を生きることができるか。継続できるか。


ただ、個に本気で向き合えば向き合うほど、足りないものが見えてくる。


ひとりひとりがど真ん中を生きることができて、さらにチームになるにはどうすべきか。

自然にど真ん中を生きることを目指すような風土は作れるのだろうか。

 

問いは向こうからやってくる感覚だ。

そういった相談が寄せられるのだ。


場から組織、組織から個へ研究が進んでいき、今度は、個から組織へ、組織から場に逆をたどる道を歩むことに興味を抱き始めている。

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