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執筆者の写真yamashina shigeru

内なる言葉

「言葉にできる」は武器になる

梅田悟司 著 読了




内なる言葉を鍛える。

「言葉」はなぜ生まれたのか。 人とコミュニーションをするために生まれたと思われがちだが、本当は「内なる言葉」を持つことで思考を深めるために生まれた。 そんな話を聴いたことがある。

ぼくも、そうなんではないかと思っている。


中世ヨーロッパで大学が誕生し、その歴史的流れで「子供」が発見される。 「子供」が発見されて、初めて、親子の愛情や、幼児教育の大切が議論され始めた。 この概念の発見も、言葉が発見されたことで思考が深まっていったのだろう。


また、A国の言葉で書かれた本をB国で学ぼうとするとき。 B国の言葉に翻訳してしまえば、みんが読めるようになるから楽だと思うのだが、それができなかったようだ。

まず、A国の言葉をマスターし、その後で、A国の言葉で書かれた本を読む。

みんなそうやって勉強していたそうだ。

これは聖書や仏教の経典がそうなのだろう。

つまり、翻訳しようにも自分たちの言葉にはない意味の言葉が利用されていることで、本当の意味を理解できないからだ。


言葉は呪力にもなる。

平安時代では本気で信じられていたことだろう。


内なる言葉のさらにその先。

無意識の世界にどうアプローチし、その無意識の世界をどう書き換えるか。

それが密教がやろうとしていることのようだ。

それができれば、この世の中は言葉であらゆることを実現させることができる。

まさにマトリックスの世界。

病を治す、敵から身を守る。


思考は実現する。

平安時代の権力者は、それを本気で信じ、本気で実践しようとした。

つまりその操作方法をマスターすれば、国を守ることができると。

現代は兵器やレーダーといった科学の力で国防を考えているが、全く違う発想で国を守ろうとしていた。



ただ、ぼくは名刺を作るときや対話をするときは、相手の外に向かう言葉と対話するのではなく、相手の「内なる言葉」に意識を集中しているのは確かだ。

それができているかできていないかは、定かではないが、「内なる言葉が見えた!」という瞬間は分かる。 お互いの内なる言葉が一致したとき、必要な言葉が生まれる。



この本、最後の章がすべてです。


言葉のプロが実践する、もう一歩先


すごく短く要点だけをまとめているのだけど、この本の価値はここに集約されているといっても過言ではないのではないか。


ぼくなりの視点を加えて紹介すると


①文章の前に「あなたに伝えたいことがある」を付ける。

②類義語を確認し、適切な言葉を選ぶ

③一文字でも減らす努力をする

④内なる言葉で何度も読み直してみる

⑤意志動詞

⑥意味の新しい発見を許可する

⑦言葉の語源を探る


この7つだ。

細かい説明は省くが、すべてがど真ん中名刺を作るときにすごく大切な視点だ。

参考にしたい。

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