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執筆者の写真yamashina shigeru

匹夫も志を奪うべからざるなり

昨日の親子論語塾。 3つの論語の解説がありました。


子曰わく そのなす所を視、 その由る所を観、 その安んずる所を察すれば、 人いずくんぞかくさんや、 人いずくんぞかくさんや。


「みる」という漢字の使い分けと、人物を観察する方法を伝えている。


まずは、その人が何をしているかを意識して視る。 次に、何のためにそれをしているのかをつぶさに観察する。 最後に、その人はそれをして、どんな感情になっているのか、どうなると満足するのかを、見えないことについても察する。 そうすれば、その人の本質を理解できる。


そんな章句だ。 つまり、行動と発言と想い、この3つがどうなのか、繋がっているのか、違うのか、ここを見よと。

そして、大切なのは最後の目に見えることだけではなく、目に見えないことを察する力だ。



次の章句はこちら。 これは論語の最初に書かれてある章句であり、とても需要な部分。

新学期が始まっている時期ということもあり紹介された。


学んで時に之を習う またよろこばしからずや。 朋あり、遠方より来る また楽しからずや。 人知らずしていきどおらず また君子ならずや。


「習う」は復習すること。 つまり、ただ学んだだけではなく、学んだことを試してみる、やってみる。

そして、「やっぱりそうなのか!」という、やって初めて気づくことがある。

それこそ、その気づきがある人だけが味わうことができる喜びである。 また、同じ師のもとで学ぶ朋がいること。

これはなんと素晴らしいことなのか。 そして、学びの中にある気づきを得ること、朋を得ること。

これは、年齢も関係ないし、人と比較するものでもない。

そのことを知ることが大事だと。

この ・学ぶ喜び ・朋のいる喜び ・比較しないこと これが論語の重要なメッセージであるということだ。


最後がこれ。 これは、なぜか、子どもたちの発表の中で複数人が選んだ章句だ。


子曰わく、 三軍の帥を奪うべきなり。 匹夫も志を 奪うべからざるなり。


この最後の章句が、最初の二つで語っている ・見えないものを察することの大切さ ・比較しないことの大切さ を伝えている。


意味は、 「三軍」とは大軍のことである。 つまり、大軍を指揮するどんなにすごい将軍だろうが、いつか必ず敗れるものである。

将軍の座は奪うことができる。 しかし、たったひとりの男の心にある「志」は、誰にも奪うことはできない。


そんな章句だ。


いやあ、奇遇にも、論語塾の日に放映されたアニメ「ワンピース」も、まったく同じテーマだった。漫画だと、ちょうど1000話。

海賊王になる!と高らかに宣言するルフィーの志は誰にも奪うことはできない。

かっこよかった!



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