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命を生きる

「母親が生きるか、自分が生きるか…、死際を彷徨って生まれたんだよ」

と、子どものころからそう聞かされてきた。

 

ただ、その真実も、何もかも、実際には覚えていない。

 

ほとんどの人間は、人生最大の重大事件である自分が誕生する瞬間のことを覚えていない。母親の辛さを知らない。

それでも人間として生をこの世に受けた。

 

自分がどれほど無知であるか。

 

そして、蟻でもなく、蜘蛛でもなく、犬でもなく、人間として生を受けたこと。

 

感謝したい。

そこには、いったいどんな力があったのだろう…。

どんな力で人間にしてくれたのだろう…。

天から授かった命を生きること、それしかぼくにはできない。

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