朝活大学素読会でした。
國を治むるには、必ず先ず其の家を齊う
国を治めるには、必ず先に自分の家をととのえること。
それは一体なぜなのか。
3回連続でこのテーマと向かいうことになる。
「大学」全体からも、このテーマを結構丁寧に解説しているように感じる。
それほど、大切であり、難しいテーマなのかもしれない。
今回すごく気づきが深かったのはこちら。
詩に云わく、
桃の夭夭(ようよう)たる、其の葉蓁蓁(しんしん)たり。
之の子 于(ここ)に歸(とつ)ぐ、
其の家人に宜しと。
其の家人に宜しくして后、
以て國人を教うべし。
(意味)
詩経に、桃の葉が美しく咲き、その葉がみずみずしく茂っているように、教養豊かに成長した娘が嫁いでいき、その家人とよく調和する、と書かれてある。
このように婚家の人々と和やかに調和してのちに、その国の人を教えることができる。
3回つづけてこのテーマと向き合ってきたこともあり、ひとつの問いをことあるごとに考えてきた。
「なぜ国を治めるには家をととえることが大事なのだろうか」
もちろん、直観的にわかるし、そうだろうなって納得もしている。
しかし、少し漠然としていて、もうちょっと腹落ちしたいなと思っていた。
その中で考えたのは、組織のあり方だ。
例えば、優秀なリーダーや会社のトップは、何に最も時間とコストをかけるかというと、やはりスタッフとのコミュニケーションなのではないか。
いかに円滑に、効率よくコミュニケーションができ、生産性を上げていくか。
ひとつのチームとして団結していくか。
リーダーは、ここに細心の注意を払い、日々悩んでいるのではないか。
しかし、「大学」であるように、社会の中でリーダーがチームをまとめるために利用しているエネルギーと同じまたはそれ以上に、家族の関係(親子、兄弟)に力を注いでいるのだろうか。
他人には、真剣になれ、家族には向き合いにくい。
それはなぜなのだろうか。
これは、ぼくも反省するしかないテーマだ。
自然な流れで家族の関係を構築していこうとするとき、何か社会に結び付く共通の仕事(仕事のようなもの)を持つことの意味は、すごく大きいだろうなと思えた。
ファミリービジネス、または家族各々が好きな仕事をしていたとしても、1年の内ある期間は団結して仕事をする。たとえば、収穫時期かもしれないし、イベント事かもしれない。
そういった関係性は、家族間の想いの伝承の場として、何気にすごく重要なことなのではないか。
そんなことをずっと考えていた。
そこで、出会ったのが今回の部分だ。
娘が家の中で両親の姿から学び、嫁いだ先で、さらにその家庭を調和していく。
これは、循環の営みではないか。
親から子に伝え、その子が嫁ぎ、新しい家庭で伝え、子が生まれ、そして・・・。
この循環が生まれるならば、国が変わる。
本当にそうだなって、何かすごく納得できた。
自分が所属している「会社」の中だけの評価が大切であれば、また答えは違ってくるのだろうが、国、さらには天下が平らかになるためには、、と考えたとき、まず家をととのうことが、大事になるのだろう。
今回は、「宜」とい漢字の語源も調べてみた。
廟の中で肉を並べて供え先祖を祭る。
神がお供えを受け取ることを「宜(よろし」と言って適宜の意となる。
天の望みとピタッと合うこと。
「宜は義なり」物事を受け止め、調和を保ち、適切に対応することを表している。
「宜」は、「おもてなしの心」に通じるものがある。
次回は3月9日(木)7時スタートです。
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