違いに対峙し考え続ける旅人 Vol3
職業人生のスタートが中国で、かつ、中間管理職だった小島量子さん。
その後、なんどか転職を繰り返すが、常に組織やチームと向き合ってきた。
そんな小島さんのど真ん中名刺づくり。
前回まではど真ん中名刺をつくる前に対話をさせてもらいました。
今回から本格的に名刺づくりに入っていきます。
子貢問いて曰く、
「一言にして以って終身之を行うべき者有りや。」
子曰く、
「其れ恕か。己の欲せざるところ、人に施すこと勿れ」
子貢(孔子の弟子)が孔子に尋ねました。
「一言で表現できる、生涯行う価値のある大切なことはなんですか?」
孔子が答えます。
「それは恕だよ。恕とは、自分にしてほしくないことは、他人にしないことだ。それを生涯実践すべき大切なことだ。」
この論語にある「自分にしてほしくないことを他人にするな」という教えは、すごくシンプルなことだが、ポイントは、生涯それを行うことだということ。
仕事の中で上司に対して、部下に対して、家庭の中で子どもに対して、パートナーに対して。
自分があらゆる立場になろうとも、歳を重ねようとも、常に「恕」を意識して実践できるかどうか。
こころから笑顔で考えることをサポートする。 心の底にある本当の想いを言葉にして行動につなげる。(小島さんがワークシートでど真ん中に書かれた言葉)
小島さんのど真ん中に書かれた言葉、大志に書かれた言葉から、論語の「恕」が思い浮かびました。
自分が思っている大事なこと、相手が思っている大事なことは、違うはず。
私は上司に厳しく、部下にやさしく接するようにしているが、みんなに恕の態度を取れるかというと難しい。
小島さんがど真ん中に書かれた言葉から連想するキーワードは「考える」ことなのではないか。
そうなのです。
考えるとは何か。
どうやったら人は考えるようになれるのか。
考えるためには、まず好奇心、問いをもつことが重要なのではないか。
では、どうやったら好奇心をもてるようになれるのだろうか。
子どもであればなんでも好奇心を持つにもかかわらず、大人は好奇心を持たないのはなぜだろう。
小島さんが思う「好奇心」とは、具体的に何に対しての好奇心なのか。
他人の心の内。
自分と他人は違うので、自分がされて嫌なことと他人がされて嫌なことは違うはず。
であれば、その人はどういう価値観をもっているのか、それに対して好奇心をもつこと。
心の深いところにある想いは何なのか。
たとえば、言葉にできていても行動につながらないことがある。ダイエットだったり、スポーツジム通いだったり。
それは本当の想いではないかもしれない。
本当に想っているど真ん中の言葉であれば、行動できるはず。
心の底にある想いに関心を持ち、対話によって引き出すことができればいいなと思っている。
自分の心の底にある本当の想いだけではなく、他人の心の底にある本当の想いにも関心を抱くこと。
それがみんなできるようになれば、言葉と行動が一致してくるので、相手がしてほしくないことも明らかになるはず。
まとめると。
①自分の心の底の想いを言語化する。
②言語化したことは行動に繋がる。
③相手の心の底の想いも慮る。
④これが繋がっていけば、お互いを理解し合いながら、助け合う世界になる。
これが「恕」の世界だ。
では、恕に向かう一連の流れの中で、小島さんはどこに一番関心があるのか。
自分が本当に考えていること、周りの人が考えていること。
まずここに好奇心をもつこと。
それがすべてのはじまりなのではないか。
つづく。
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