最初の書は「輗(げい)」
子曰く、
人にして信なきは、その可なるを知らざるなり。
大車に輗(げい)なく、小車に軏(げつ)なくんば、
それ何を以てかこれを行らんや。
牛車には輗(げい)、馬車には軏(げつ)という、牛馬と車を連結する器具がある。
この器具がないと、どれほど立派な牛馬でも、車を走らせることができない。
人にとって「信」も同じだ。
この章句にでてくる言葉だ。
今回先生のお話の中で心に留まったのは、この章句。
子、四を以て教う。
文、行、忠、信。
すごく短い章句ということもあり、子どもたちに人気の章句だ。
いままで、そんなに意識していなかったのだけど、すごく味わい深い章句なんだと気づかされた。
まず、「子のたまわく」で始まるのではなく、「子」の一言だけで始まる。
これは、「先生がおっしゃったことには・・・。」ということではなく、弟子が先生が伝えたいことはこれなんだと、先生の言葉を端的にまとめた言葉だということ。
それが、2500年残っている。
まず、そのすごさだ。
意味は、
先生は、常に4つのことを大切にして教えていた。
文(学ぶこと)
行(行動すること)
忠(自分を欺かないこと)
信(他人を欺かないこと)
「文、行」は一対の言葉だ。
つまり、学ぶだけではよくない。
学んだからにはそこに行動が伴わないといけない。
文行で一つである。
ただし、ここまでは、ちゃんとできる人はいる。
しかし、それだけではなく、「忠」、つまり、自分を欺かないこと。
自分を欺かないということは、自分が決めたことに常に全力で取り組んでいるか。
そして、人が見ていない時でも、正しい行いができてるか。
自分に言い訳をしない。
ここが問われる。
そして、「信」。
これは他人を欺かないこと。嘘をつかないこと。
約束を守ること。
常にこの4つを座右の問いとし、心に留めておく。
文行忠信。
深く知るほど、厳しさと教育者としての愛を感じる。
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