社会をよくする投資入門
鎌田恭幸 著
読了
今回も本書にある言葉の中から、自分の心に残った言葉を選んで紹介したい。
投資とは何か。
「お金、時間、愛情など、自分にとって大切な何かを、自分が大切だと思う何かに使うこと」
こんなふうに定義してもらえると、投資がすごく身近で、自分の生き方と繋がっていることが理解できる。
この定義を軸として、多くの方が気になるであろう投資のリスクについても再定義できる。
投資において避けるべき最大のリスクは、元本が目減りすることではない。 そもそも自分の大切なお金が、何に投資されているのか分からないことだ。
投資とは、自分にとって大切な何かを、自分が大切だと思う何かに使うことなので、どこに使われているか分からない状態がリスクであると。
これもすごく的を得ている。
だからこそ、「投資をきっかけに、自分の人生や社会に対して、主体的に向き合う人が増えることに意味がある」のだ。
自由と責任とも言い換えることができる。
これが第1章で書かれてある内容なのだが、この第1章を腹落ちするだけで、自分のお金に投影している物語に大きな変化を与えそうだ。
第1章の内容が、身体に染みてくると、「投資とは、価格ではなく、価値に投資するもの」だということが理解できてくる。
では、視点を投資家から企業側に変えると、こんな表現ができるのではないか。
会社が自社の存在目的を自覚し、本業のど真ん中でその価値を深く掘り下げていくこと。
本気で取り組もうとする真の目的はどこにあるのか。それは、心の底から湧き出るものか。
ど真ん中と、いのちの声に耳を傾けることが大切なのだ。
ちなみに、本書では「ど真ん中」というキーワードが頻繁にでてくる。
ど真ん中の活動の中で、価値を生み出していく。
この価値に共感する仲間たちが繋がっていくことが、投資なのだ。
ど真ん中、つまり。
得意分野で社会課題に真剣に向き合う会社なのか。
本業のど真ん中で、社会の持続性を高める事業領域を本気で取り組む企業なのか。
ちなみにど真ん中名刺とは、自分のなすべき本業(must)を通じて気づいた社会課題(needs)と喜び(wants)を重ね合わせた、must×needs×wantsとなるカタチにしたいど真ん中は何かを表現する名刺だ。
この問いは、自分にも問われている。
ど真ん中を生きる仲間を増やすということは、自分がど真ん中を生きることができているか、ということだ。
そして、繋がっていくということが投資になる。
本書の後半には、大切なメッセージが書かれてあった。
あらゆる事業、あらゆる社会変革も、「すべてはたったひとりの思いから始まる」ということ。
その一人に誰もがなれる可能性を秘めている。
そして、投資の本質とは、「出会いを生むこと」であり、最高の出会いとは「いまだに気づいていない自分自身と出会っていくこと」なのだと。
自分のお金の物語を見つめるための本になりました。
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