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執筆者の写真yamashina shigeru

本物のやさしさ

母の日に長男と次女とスーパーにお花を買いに行った。


次女が切り花を選ぶ。

それを見た長男が、「すぐ枯れるから鉢がいい。」と言い出した。


その勢いは、どんどん大きくなり、人目も気にせずその場で立ちつくし、大泣きすることになった。

それを見ていた次女も泣きだした。


母のことを想い、花のことを想い、いろんな感情があったのだろう。


長男は心のやさしい子だ。

そんな長男が小学一年から剣道をしている。

今年五年生になった。


五月末に全国大会の切符をかけた大事な試合がある。

レギュラーだった長男は、今週いきなりメンバーから外された。

年下のチームメイトと試合をし、勝てばレギュラー、負ければ補欠という試合で、引き分けだったのだ。

 

長男の優しさは、一対一の剣の道では、どうしても、なかなか結果をだせない。

悔しくて夕ご飯も食べずに寝たそうだ。

それでも次の朝6時半から家の前の公園で自主練をつづけた。


「欲を捨て、真に自己が確立する」

「自分一身の欲を満足させるのではなく、天下の人々の欲を思いやり、できることなら、その人々の欲をも満たしてあげる」

 

そんな本物の優しさを身につけてほしい。




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