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私は・・・だ

6 分前
読了時間: 4分

マネーバイアス

ピーター・カーニック 著


30番目の嘘

「お金は・・・だ」



ぼくらは、お金に何を託しているのだろうか。


1,お金に投影するということ


たとえばぼくらはこんなふうに考える。


お金があれば、自由になれる。

お金があれば、安心できる。

お金があれば、自分の力を発揮できる。

お金があれば、人とつながれる。

お金があれば、社会を変えられる。


でも、それは本当か。

ここで問われているのは、自由や安心や力やつながりを、お金の側に置いてしまっていないかということ。


お金が自由を生み出すと信じると、ぼくらは、自分の中にある自由を見失ってしまう。

お金があれば人とつながれると信じると、自分自身が人とつながる力を持っていることを忘れてしまう。

そして、いつしか「お金がないから自由ではない」「お金がないから何もできない」という認識が、現実そのものになっていく。


最初は自分の思い込みだったはずなのに、それを繰り返し信じ、行動することで、思い込みが日常の中で強化されていく。

やがて、自分が何かを投影したことさえ忘れてしまう。



2,「お金は……だ」を「私は……だ」に変える


自分がお金に投影していたこと。

それは本来自分の中にあること。

それを思い出すきかっけが、言い換えだ。


たとえば。


お金は自由だ → 私は自由だ

その言葉を口にしたとき、身体や心にどんな感覚が生まれるだろう。


お金は力だ → 私は力だ

自分の中に、すでにある力を感じられるだろうか。


お金はつながりだ → 私はつながりだ

自分と他者、世界とのつながりを、どこかに置き忘れていないだろうか。


言い換えて口にすることで、違和感や不安、抵抗が生まれることもある。

その感覚こそが、自分がお金に何を託してきたのかを教えてくれる呼び水となる。

だからこそ、言い換えたときに自分の内側で何が起こるのかを大切になる。


話は脱線するが、この感覚に耳を澄ますことこそ、今すごく求められていることのように思う。



3,個人の思い込みが、組織や社会にまで広がる


この投影の問題は、個人の内面だけではない。


社会が「お金こそが力だ」と信じているとしたら。

組織が「資金がなければ何も始められない」と信じているとしたら。

国が「経済成長こそが豊かさだ」と信じているとしたら。


その信念を前提に、制度や仕組みや意思決定がつくられていく。

お金を持っている人に力があると見なし、お金を持っていない人には力がないと見なす。

資金があるから実行できると考え、資金がないから不可能だと判断する。


こうして、お金に投影した役割が、社会の仕組みそのものを通して強化されていく。

個人の思い込みが社会の常識になり、その常識がまた個人の思い込みを強化する。


これはとても恐ろしいことだ。

そして、この循環を断ち切るにはどうすればいいのだろう。




「そもそも、ぼくらはなぜ、それをお金に求めているのだろう」


自由をお金に求めるのは、自由を自分の外側に置いているからではないか。

安心をお金に求めるのは、安心を自分の外側に置いているからではないか。

自分の価値をお金に求めるのは、自分の価値を自分で感じられなくなっているからではないか。


もちろん、お金には現実的な役割があります。

食べ物を買うことも、住む場所を確保することも、事業を始めることも、お金によって可能になる部分があります。


だからこそ、ここで問われているのは、お金にできることと、自分自身が本来担うべきことを、もう一度考えること。

お金に預けていた役割を、自分に取り戻すこと。

自分自身がソースとなって生きること。



では、ぼくの「お金は・・・だ」にどんな答えが浮かんだのか羅列してみたい。


・お金とは感情を確認するものだ。

・お金とは感情を揺さぶるものだ。

・お金とは「必要なものだ」と強引にメッセージを与えるものだ。

・お金は人に従うものであるべきだ。

・お金は善意にブレーキをかけるものだ。

・お金は思いやりの感情を抑えるものだ。

・お金は勝者の欲を強化するものだ。

・お金は本当の自分を遠ざけるものだ。


これを「私は・・・だ」に言い換えると、


・私は、感情を確認するものだ。

・私は、感情を揺さぶるものだ。

・私は、「必要なものだ」と強引にメッセージを与えるものだ。

・私は、人に従うものであるべきだ。

・私は、善意にブレーキをかけるものだ。

・私は、思いやりの感情を抑えるものだ。

・私は、勝者の欲を強化するものだ。

・私は、本当の自分を遠ざけるものだ。


この中で、口にしたとき、違和感や抵抗を強く感じるのは、


・私は、人に従うものであるべきだ。

・私は、思いやりの感情を抑えるものだ。

・私は、本当の自分を遠ざけるものだ。


どれも、心の奥深くでは、違和感を感じるが、間違っていないという、確かにその通りだという声が、ゆっくりと大きくなっていく。

自分から離れていると思い込んでいる力を、取り戻していきたい。


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