すべては1人から始まる
トム・ニクソン 著
この本をベースに勉強会をしています。
第19回目 みたらしソース部
15 ソースの継承2
・継承の未完了で起こる問題
前回からのつづき。
継承の未完了で起こる問題
ソースがイニシアチブを去ったのに継承が完了していない場合、どうにもできない問題に直面する可能性がある。
では、どんな問題が起こるのか。
内容をみていくと、きっと「あるある!」って言いたくなることばかりのように思う。
①リーダーシップが極端になる。
継承が未完了だと、新しいリーダーは、イニシアチブの全体像や方向性を正確に感じ取ることが不可能になる。
どんなに形式上、新しいリーダーに権限や役割が移行したとしても、継承が未完了だということは、旧リーダーに力がある状態が続くからだ。
そうなると、新しいリーダーは、チームをコントロールするための強権的スタイルでひっぱっていこうとするか、心優しいタイプであればいつまでも合意形成をするためのミーティングを費やしてビジョンを薄めることになる。
ただ、どちらの方法も結局うまくいかないだろう。
その結果、組織構造に問題があるのではないかと、仕組みを変えようとするが、それは問題解決に繋がらない。
継承の問題に対処すべきだ。
②お節介な創業者
前任者が口出しをやめられないのは、継承が未完だから。
前任者の「新しいCEOに道を譲るが、自分は新CEOの案内役であり続けようと思う」的な発言には、注意が必要だ。
チームのメンバーが耳を傾けるのは、新リーダーではなく、前任者の声のままになる。
前任者は、悪気がないということも問題なように思う。
新CEOは自分の居場所を見つけることに苦労したり、混乱を自分の責任だと思い、会社を去ることも起こる。
③落ち着かない創業者
今度は、創業者の立場に立った時に問題だ。
創業者が何年も前に組織を離れていても、継承プロセスが未完の場合がある。
創業者は組織を手放したつもりでいるのに、実は手放しきれていない、継承が完了していない状態。
そんな状態だと、新しいイニシアチブを立ち上げることも、リラックスして引退生活を楽しむこともできない。
結局、新しいリーダーの力を弱らせたいわけではないのに、口出してしまう。
④ソースの代理の出現
創業者が去ったのに、イニシアチブ内の誰かが変わらず創業者と密に連絡を取り、互いに意識していなくても、創業者の伝達者として行動してしまうパターン。
創業者の言葉は、確かに当たらずも遠からず、正しくもあり、伝達者の口を通して組織に影響を与えてしまう。
しかし、イニシアチブに対して本当の意味で耳を傾けているわけではないので、物事の動きは遅くなり、伝えたいことも誤解される可能性がある。
代理人はソースではないので、創造的権威があるわけではないので、またまた混乱を招きやすい。
⑤ビジョンではなくお金を追求するようになる
ソースの継承が未完の状態で、イニシアチブがビジョンを見失っている時は、ビジョンの代わりにお金が追求されやすくなる。
会社からは創造性が失われ、必要なリソースを引き付ける魅力がなくなっていく。
メンバーは離れ、お金を追求する人が入ってくる。
お金の追求は、長期的にみると逆に会社を経済的に不安定にさせる。
この継承の問題をどうクリアしていくのか。
つづく。
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