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進化の次のステージのために

ノヴァセン

ジェームス・ラブロック 著

読了



ガイア理論の提唱者として世界的な科学者、ジェームス・ラブロック博士の新著。


地球はひとつの巨大な自己調節システムであり、すなわち生命体のようなものだ。

ラブロック博士が1960年代に提唱したガイア理論。


ぼくが大学4年の時に、映画「ガイアシンフォニー」に出逢い、このガイア理論を知る。

それからすでに25年以上の歳月が経った。


ぼくの頭の中では、ガイア理論が博士が考える最高峰の仕事であり、人生の頂だと勝手に思い込んでいた。

とんでもない!

100歳になったラブロック博士の進化が止まらないことの恐ろしさ。

人の創造力の可能性に驚きを隠せない。

また、科学、歴史、哲学、あらゆる分野を横断的に理解しているからこそ導き出した思考に触れることは、とても刺激的だった。



「直観は天からの授かりものであり、理性は忠実なる下僕である。わたしたちは下僕を讃える社会をつくり、天からの授かりものを忘れてしまった。」アインシュタイン

本書を表現すると、このアインシュタインの言葉が大きなテーマになっている。



人間は、言語によって生き方を決め、言語に従って世界を見ている。


人間のユニークさとして言語を扱えるという特性をもっている。

そのおかげで、情報を蓄積し、伝達し、次世代に残すことができる。

言語こそ理性の王様だ。

しかし、ここでラブロック博士は問う。


言語の獲得によって犠牲になったものは何だろう。 ことばという進化における素晴らしい贈り物は、どのように不利に働いたのだろうか。

この問いは、時代の大きな変化の中で、すごく重要になってくる気がする。

AIやロボットが普及していく中、人間の在り方を考えていく上で、また、新たな世界に向かうためにも、必要な気がする。



また、ラブロック博士の見ている視座の高さにも驚かされる。


その前に「動的平衡」で有名な福岡伸一さんの言葉を思い出した。

示準化石というものがある。有名なのはアンモナイトや三葉虫だ」

「示準化石とは、ある地層からこの化石がでてくれば、それはいつの時代なのかが分かる定規となるような化石のこと」

「示準化石になるには、地球全体で一気に増えて、ある時期を境に一気にいなくなった生物であるということ。そして将来、人間が示準化石になるのだろう。」

と。


この「人間が示準化石になる」という言葉は、ぞっとすると同時に、確かにそうかもと思う言葉だ。

普段絶対考えが及ばない思考だ。


では、人間が一気にいなくなった後は、どんな生き物が地球を征服するのだろうか

これが本書のメインテーマだ。



人間は光合成生物と同じように、進化の次のステージのためにシーンを用意する生命体の役割を果たしているのだ。

ラブロック博士の言葉だ。


ここに、ガイア理論が繋がっていく。

この宇宙の中で、なぜ人間が存在しているのかと。



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