山の上のパン屋に人が集まるわけ
わざわざ代表取締役
平田 はる香 著
読了
いつもながらぼく目線の感想になる。
ど真ん中名刺とは、ど真ん中を生きるひとつの覚悟を表現する名刺だ。
では、ど真ん中を生きるとはどういうことか。
must 自分がなすべきこと。与えられた役割。
needs mustに向き合うことで気づいた世の中のニーズや課題
wants mustに向き合うことで気づいた自分の喜び、内面の変化
ど真ん中を生きるとは、mustを軸として気づいたneedsとwantsがあり、この3つを融合させていこうとする生き方だ。
ただし、ど真ん中エディットワークの中ではお話するのだが、融合させることが唯一ということでもなく、ポイントは「実践」になる。
must×needs×wantsという生き方に向き合いつつ、日々の実践を繰り返し、そこから生まれる新しい変化に順応していく。
ただ、それだけだど、徐々に視野が狭くなってくるので、meの視点からweの視点に視座を高める。
そういったワークを通じて、自分の物語を発見していく。
さて、本書の前半では、まさにmustとneedsとwantsの間にあるズレ、重なり合わないモヤモヤ、違和感に立ち向かう姿が描かれている。
たぶん多くの方は、自分に素直であればあるほど、この違和感と対峙しようとしたとき、どうしようもない社会の矛盾や正義、自己との対話と向き合っていくことになり、そのつらさ故、違和感を感じないようにしてしまうのではないか。
しかし、著者は、その違和感に常に対峙しながら生きていく。
その生きづらさを紹介されている。
その中で始めたのが、「わざわざ」というお店だ。
「わざわざ」が、少しずつ成長し、規模が大きくなり法人となっていく。
その過程で、ど真ん中だったはずの生き方をもう一度分解しなおして、再形成しなければならない時期が訪れる。
つまり、個人だったものが、個人と法人に分かれ、この2つと仲良くしていく世界を模索しなければならなくなったのだ。
そのときに大きな問いに出逢う。
もの かね ひと 間にあるのは何ですか
世の中はすでに物が溢れているのに、なぜ物を売る必要があるのだろうか。
人間がお金に使われている感覚に襲われる瞬間はどんなとき。
ものと、かねと、ひと、の間に、一体何があるのだろう。
ここで、生物学者の福岡伸一さんの「動的平衡」の話が紹介されている。
流れ自体が生きているということなのである
お金とは何かを問い続けることで、気づいたことは何か。
常に自分の中の違和感を大切にする。
大切にするということは、考えることをやめない、諦めないこと。
その姿勢を生きることで、会社がどんなふうに変容してきたのか。
すごく個性が伝わる本でした。
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