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頭のなかの声

執筆者の写真: yamashina shigeruyamashina shigeru

更新日:2024年12月23日

A NEW EARTH

二巡目 第2週 振り返り



古い生き方や相互関係、自然との関わりがうまくいかなくなり、根源的な危機が起こって、どうにも解決不可能と見える問題によって生存が脅かされると、個々の生命体、あるいは種は、死ぬか、絶滅するか、進化を飛躍によって置かれた条件の限界を乗り越える。

これが今の人類の立ち位置なんだと。



新たなものを発見していくという視点ではなく、思い込みの壁を破り、思い出していく


自分が全体とつながっていること、すべての「他者」及び「生命の源(ソース)」と本質的に結びついていることをまったく認識できない。この結びつきを忘れること、それが原罪であり、苦しみであり妄想なのだ。


この本書の日本語版は発刊されたのは2008年。

ぼくが34歳のときだ。

2008年の世界はいったいどうだったのか。

メールの履歴で当時を振り返ってみた。



2008年1月

岡山での仕事を退職し、大阪に移動。

34歳、3人の子ども、貯金ゼロ、無職。

やることもなく、実家の仕事の手伝いは始める。

ヤマシナ印刷株式会社のHPのドメインを取得。

何か自分にできることで関わりをつくろうと動き出す。


2008年2月

機密文章が含まれる紙をリサイクルできないか。

リサーチをはじめる。

とやま古紙再生サークルに連絡。


2008年4月

たぶん、ぼくが会社に本格的に関与しはじめたことが引き金となり、会社を存続していくためにリストラをはじめる。

ということは、この時期に、人生を変える家族会議を開いたのだろう。

そのことで、大きな波紋を起こすことになり、会社にデザインができる人材がいなくなり、大混乱に。人材募集を始める。

同時に富山と大阪の二拠点生活を可能にするために、大阪のコワーキングスペースを探す。

もう大変だったとしかいいようがない時期。


2008年8月

グリーン電力証書を購入することで、グリーン電力で名刺を印刷しますというサービスを始める。

おやべローカルSNSを独自に立ち上げ、地域のコミュニティサイトの運営を始める。

仕事の本当の意味は何かを問いつづけ、「意味」から考えた地域とのつながりを結び直すことに必死となる。



2008年は、まさに死ぬか、進化を飛躍によって置かれた条件の限界を乗り越えるか。

悪戦苦闘していた1年だった。




言葉は発音されても、あるいは声にならず思考に留まっても、ほとんど催眠術のような力を及ぼす。言葉の前で人は簡単にわれを失い、何かに言葉を貼り付けたとたんに、まるで催眠術にかかったように、それがなんであるかを知ったと思い込む。

頭のなかの声。

その声は自分なのか、自分じゃないのか。



このタイミングで、渡辺康太郎氏の本「context design」を手に入れることができた。

これまで何度も買いたいと思ったことがあってamazon等で調べてことがあったのだけど、大手のネット通販では販売されておらず、購入するタイミングがずれていた。


いや~。まだ序文しか読んでないのだけど、もうこのタイミングで手にすることができたことに感謝したい。

ニューアースと似たテーマでありながら、全く違った切り口で捉え直し、すごく心躍るテーマとして紹介されてある。



コンテクストデザインは、「ともに」+「編む」+「デザイン」という意味。

人は誰も頭のなかの声で、いろんな創造をしている。

「内なる創造」

その内なる創造は、誰の頭のなかでも起きる。

それを頭のなかだけに留めずに、実際の世界で一歩踏み出すか踏み出さないか。内なる創造を人に話す話さないか。

ここにひとつ大きな壁がある。

それを「弱い文脈」と定義している。


妻との朝のランニングは、妻に、まさにこの「内なる創造」を聴いてもらう時間にもなっている。

内なる創造を話せる人がいること。これは素晴らしいことだ。

毎朝5時からの音読会も同じだろう。



弱い文脈は、大きな価値はないかもしれない。

でも弱い文脈が、誰かの呼び水となり、また違う「内なる創造」を生み出し、次の「弱い文脈」を世の中に産み落とす。

その中のいくつかが「強い文脈」となり、社会の当たり前として浸透していく。


この流れを感じていくと、世の中すべての人はクリエイターであり、「弱い文脈」は意味のないものではなく、それこそ世の中を新たにする力なんだと。

そして、この世界はすべて内なる創造が、何千年と紡いできた世界だともいえる。


今までにないものを発見するのではなく、あの感覚を思い出す世界。



「context design」

手術した目がまだ安定しておらず、文字を読むことにストレスはあるのだけど、年末年始味わいたいと思います。

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