古事記転生
サム 著
読了
クリスマスに妻からプレゼントしてもらった本。
古事記の世界を理解しているわけではないが、これまでに幾度となく途切れ途切れに話は聞いたことがある。
特に「スサノオ」の話は、15年以上前、岡山に住んでいたころ、タカラヅカ歌劇「スサノオ」に家族全員でハマり、記憶に刻まれている。
アマテラスとツクヨミとスサノオの物語だ。
当時、車の中は常にスサノオの歌曲を流し、長男はスサノオを真似し歌い踊っていた。
そんなこともあり、家族で出雲へ旅行へいき、出雲大社には寄らず、素戔嗚神社へ参拝にいった思い出がある。
人間であろうが神様みたいな高次元の存在であろうが、必ず自分の魂に成長の余地はある。 陰陽太極図の小さい点に自分で気づいて、乗り越えることができたらどんな存在でも人生は大きく変わる。
※「陰陽太極図の小さな点」とは、下記図にある白の中の小さな黒の点、または、黒の中にある小さな白の点のこと。
古事記にでてくる神様は、完璧な存在ではない。
神様であるにも関わらず、いろんな苦悩や悩みや個性をもっている。
神様が抱えていた乗り越えるべき課題(小さい点)は何だったのか。
本書では、その課題にスポットを当て、現代人の悩みとリンクさせ、古事記の世界から現代に至るまで、解決されないまま続いている課題を題材とし、どうクリアしていくか描かれている。
課題は、自分で気づくしかない。
これが本書のひとつの大きなテーマだ。
ちょうど年末に自分の闇(シャドー)に向き合い、24年かけて気づいた課題がある。
それが、自分の魂を傷つけていたこと。
目の前の課題から逃げること。
目の前の課題に向き合わないこと。
これまで、この2つが自分にとっての大きな課題だと思い込んでいた。
しかし、本当にそうなのか。
疑う自分もいた。
「課題を疑うのは、課題から逃げる口実として、そう考えようとしているだけじゃないのか」
「タイミングの問題で、別に逃げたり向き合っていないわけじゃない。先延ばしするほうが正しいのだ」
と。
「逃げている」「向き合っていない」というのは、他者から言われる言葉であって、自分でそうだと気づいたことではないから、自分の課題として根を下ろすことができないのかもしれない。
でも、違ったようだ。
逃げないこと、向き合うこと。
もちろんどちらも大切なことだが、ぼくの人生の課題は何かと問われれば、魂を傷つけないこと。
これに至る。
ではどうすべきなのか…。
それはまだ明確に分からないが、「魂を傷つけてはいけない」と自分に声をかけると、内面から力が沸き起こる感覚がある。
この感覚を大事に、この1年を過ごしていきたい。
あと、別の話になるのだが、古事記が誕生した時代に大切にしてきた日本人の心。
それは失ったわけではなく、おとぎ話や日常の作法、お祭りに残されていると書かれてあった。
当時は、ネットもテレビもラジオも新聞もあったわけでもなく、紙に文字を記すことすら稀だったはずだ。
そんな世界で、大切なことを後世に残そうとすると、上記のような、身体操作やお祭りの行事の中に継承していかなければならないことは、想像できる。
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