万人幸福の栞より
人は案外、浅智恵である。世の中にたった一つしかない宝を一ばん粗末にしている。その宝は、己自身である。 人は働けば健康である。なまければ体は弱る。それに何とかして仕事をすまい、うまい物はたべたい、楽はしたいと願う。これは命をちぢめたいという事になるのである。
いや、なんとも爽快な内容だ。
この自己の中での矛盾をいかにして統一していくか。
ここを誰もが見つめていかなくてはならない時が来ているのではないか。
世の中でもっとも大切なことは自分だ。
働けば、元気になる。
にもかかわらず、仕事をせずに楽をしたいと願う。
つまり、みんな命を縮めることを目標にしている。
この矛盾に、知らずのうちに陥るのはなぜか。
自分ひとりのことではなく、少し広い視野をもって考えなければならない。
上記の文章中にもあるとおり
「あなたにとって働くとは何か?」
「あなたにとって仕事とは何か?」
この問いに真摯に向き合うことが、矛盾を解決する出発点なのではないか。
ど真ん中名刺ワークショップでは、かならずこの2つの問いを聞かせていただくようにしている。
さて、この章の続きがまたおもしろい。
では己をもっとも大切にするにはどうすべきか、それも丁寧に説明されている。
その中の一文だ。
己の、大きな向上、躍進、完成は、己を空しくすることである、身をささげることである。
と。
ここにも、誰もが陥る大いなる矛盾が隠れていることを理解すべきだ。
まったく同じ内容が「修身教授録」にも書かれてある。
第一部、第36講「誠」だ。
真実の道は、一体いかにして興るものでしょうか。それには、「自分が道をひらくのだ」というような一切の野心やはからいが消え去って、このわが身わが心の一切を、現在自分が当面しているつとめに向かって捧げ切る「誠」によってのみ、開かれるのであります。
とある。
これは正直衝撃的であり、かつ、多くの方がここの罠に陥るのではないか。
つまり、「よし、自分がこの道を開くんだ!」と、そんな強い気持ちを持てと誰もがアドバイスする。
しかし、それはみんなの眠っている魂をゆり動かすための方便でしかない。
本当に道を開く者は、そんな気持ちすら消え、自分を捧げ切った先に開かれるんだと。
ここを理解できるかどうか。
自分は「誠」を尽くせているのか。
冷静に振り返る時間が必要だ。
「誠」という言葉の大きさに震えるしかない。
慮る、思いやりの心と、常に身体を整えておく大切さ
比較の世界からの脱却と本物の覚悟とは
失敗を許容する社会とレジリエンス力の必要性
志を抱くこと、実現するために歴史や古典を学ぶ大切さ
お互いが日に新たであることが、幸福と平和と繁栄をもたらす
名優から主役へかけ上がるために大切な「友」や「師」
素直な心で、外側と内側の2つの視点を同時に見つめる
正しさの追求と循環力が未来を生み出す
愛と命と仕事の関係、仕事の尊さを悟る
どちらが物を愛する人によって産み出されたものなのか
あなたにとって成功とは何か、あなの仕事は何か
今ここから始める実践を
人間はあらゆる生きものたちと、共に生きる力
五感の引き出しを増やすことが、信念の力を高める
あなたにとって働くとは、仕事とは、その定義からはじめる
本当の主役とは一体どういうことであるのか。
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