万人幸福の栞より
「気づいたらすぐする」ことが物事をしとげる秘訣である。又大切なことは、十分に研究調査し、準備を完全にして、時がきたと思えば、一気かせいにやってやりぬく。おしておして押し通す。
この章のはじまりの文だ。
タイトルとこの最初の文が、何か一致していないことに気づく。
得るは捨つるにあり、といタイトルだけを見ると、整理整頓の大切さだったり断捨離といったイメージなのだが、全く違うはじまりの文だ。
物事を成し遂げる秘訣について語ってくれている。
①気づいたらすぐやれ
②大切なことであれば準備を完璧にせよ
③時がきたら一気にやれ
この3点だ。
よく聞くこんな言葉がある。
「成功の秘訣は諦めないこと」
この言葉と、上記の物事をなし遂げる秘訣は同じようなことを伝えている。
しかし、この章のおもしろいところは、この序文以外は、あたかも逆のことを説明しているのだ。
つまり、前に進んだはいいものの、どうしようもなくなったときにどうするか。
そんなときは、諦めないのではなく、きれいさっぱり捨ててしまえ!とある。
そうすれば、奇跡が起きると。
おや?
成功の秘訣は、押して押して押し通すんじゃなかったっけ?
ここだ!
「捨てる」という最後の手札を必ずもっておけ、それが新しい扉をこじ開ける鍵となる。
そんなテーマなのかなと思えそうだ。
しかし、違うのだ。
ここである船乗りのたとえ話が載っている。
重病人が、自分は船乗りだという天職を思い出し、船乗りは船の上で死ぬべきだと、命を懸けて船にのる。すると奇跡的に病が良くなるという話だ。
このたとえ話では、、いったい何を得て何を捨てたというのだろうか。
ここの解釈だろう。
そもそも成功とは何かという定義も重要ではあるが…。
つまり、この重病人の船乗りは、自分のなすべきことは何なのか、自分の使命、天職を思い出したのだ。
原点に戻ろうとしたのだ。
複雑に考えたことを全部捨て、もとある場所に戻ったのだ。
自分のなすべきことは何か。
人によっては、やらなければならないことというのは、嫌なことだったり面倒なことのように感じるかもしれない。つまり、義務だ。
しかし、この義務こそ、自分の使命だと自覚し、さらには天職だと受け入れる。
ここが原点であり、はじまりだ。
ど真ん中名刺ワークショップでは、天職を定義している。
今なすべきことに本気で向き合う、それこそ天職だと。決して楽しいことが天職とか、社会貢献をして喜んでもらうことが天職だとは言わない。性格にあった適職こそ天職だとも言わない。
今、自分は何をしなければならないのか、それに向き合うことを天職としている。
この定義で考えるのであれば、「なすべきこと=天職」とは、目標でも夢ではないはずだ。ここを十分理解することだ。気を抜くと、それが混乱を招く。
天職に本気で向き合ったときに、こんな目標で進んでいきたい、こんな夢があると、、行動していくための指針として目標や夢が生まる。
支店を10店舗にしたい。
業界ナンバーワンになりたい。
売上を3倍にしたい。
など。
これらはすべて、「なすべきこと=天職」ではなく、「なすべきこと=天職」に向き合ったからこそ生まれた行動指針にすぎない。
つまり。
天職をあきらめろ、捨てろということではなく、そこからいろいろ派生した手段が、いつのまにか目的にすり替わってしまい、自分自身が本当になすべきことは何なのかを見失っていませんか?
そのことを伝えてくれているのではないか。
天職とは、義務であり使命であるとするならば、捨てることができるものでは決してないはずだ。
目標達成のために頑張っている手段に、どれだけお金をかけていようが、どれだけ時間を費やしていようが、どれだけ仲間たちが関わっていようが、それは手段のひとつに過ぎないということだ。
うまくいかない理由が、感情や拘りがボトルネックになっているのであれば捨てろ。
そして、天職を思い出せ。
これを伝えてくれているのだろう。
そして、
あなたにとって成功とは何か?
あなたの仕事(天職)は何か?
この問いを突き付けられている。
慮る、思いやりの心と、常に身体を整えておく大切さ
比較の世界からの脱却と本物の覚悟とは
失敗を許容する社会とレジリエンス力の必要性
志を抱くこと、実現するために歴史や古典を学ぶ大切さ
お互いが日に新たであることが、幸福と平和と繁栄をもたらす
名優から主役へかけ上がるために大切な「友」や「師」
素直な心で、外側と内側の2つの視点を同時に見つめる
正しさの追求と循環力が未来を生み出す
愛と命と仕事の関係、仕事の尊さを悟る
どちらが物を愛する人によって産み出されたものなのか
あなたにとって成功とは何か、あなの仕事は何か
今ここから始める実践を
人間はあらゆる生きものたちと、共に生きる力
五感の引き出しを増やすことが、信念の力を高める
あなたにとって働くとは、仕事とは、その定義からはじめる
本当の主役とは一体どういうことであるのか。
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