見えない失敗
已んぬるかな、 吾未だ能く其の過ちを見て、 内に自ら訟(せ)むる者を見ざるなり。 ああ、もうだめだ。 しかたがないなあ。 自分の過ちに気づいて、自分を心の奥から責め、反省する者を、私はまだ見たことがない。 (「実践・論語塾」安岡定子著)...
リスクを負えるかどうか
人の過ちは、各々其の党に於てす。 過ちを観てここに仁を知る。 人間の過ちは、それぞれの仲間内で引き起こされることが多い。 だからその過ちをよく観察すれば、その人の仁を知ることができる。 (「実践・論語塾」安岡定子著) 今、ちょうど仲間内ではないにせよ、仕事の連携仲間の中でト...
言、仁、実践
古の者に言に之出(いだ)さざるは、 躬(み)のおよばざるを恥ずればなり。 昔の人が何事につけても軽々しく言葉に出さなかったのは、自分の実行が言葉に伴わないのを恥じたからだ。 (「実践・論語塾」安岡定子著) 言葉と実行が伴っている人間であるかどうか。...
アップデート
巧言令色、鮮なし仁。 飾りすぎた言葉の人や作り笑顔をする人は、仁に欠けている。 (「実践・論語塾」安岡定子著) こどもたちも大好きな章句。 そして、2500年前の言葉とは思えないほど、現代にも通じる言葉だ。 ある意味、ソーシャルメディアが普及した時代であればこそ、さらに際立...
省みる
賢を見ては斉しからんことを思い、 不賢を見ては内に自ら省みる。 優れた人物を見ては、このようになりたいと思い、つまらぬ人物を見ては、自分もこのようではないかと反省する。 (「実践・論語塾」安岡定子著) 最近マンションのごみ集積場に指定日ではないのにゴミを置いてあったというニ...
行動と理由と動機
其の似す所を視、其の由る所を観、 其の安んずる所を察れば、 人焉んぞ廋さんや、 人焉んぞ廋さんや。 その人の行動をよく見る。 そしてなぜそのように行動をとったのか、その動機もよく見る。 さらにその行動に満足しているかどうかをよく観察してみれば、どうしてその人の本質を隠せよう...
修身
吾日に吾が身を三省す。 人の為に謀りて忠ならざるか。 朋友と交わりて信ならざるか。 習わざるを伝えしか。 私は日に何度も自分の行いを省みる。 人から相談を受けた時、真心を尽くしていなかったのではないか。 友人と付き合うときに嘘をつかなかったか。...
謙虚
君子、重からざれば則ち威あらず。 学べば則ち固ならず。 忠信を主とし、 己に如かざる者を友とすることなかれ。 過てば則ち改むるにはばかること勿かれ。 君子は重厚でなければ、威厳がなくなる。 また学べば独善や頑固さもなくなる。...
調和
博く学びて篤く志し、 切に問いて近く思う。 仁其の中に在り。 広く学んで、熱心に取り組み、心を込めて問いかけて、それを自分の身近なこととして考えるならば、仁は求めなくても自然にそこに存在し、獲得できるようになる。 (「実践・論語塾」安岡定子著) ちょっとズレた話をする。...
心地よく自分を正す
辞は達するのみ 言葉というものは、相手にその意味を正しく十分に伝えることこそが大事なのだ。 (「実践・論語塾」安岡定子著) つまり、相手に伝わったものがすべてであり、 言ったはず、伝えたつもりではよくないということだ。 だからこそ、言葉を磨かなければならない。...
素直な心
学びて思わざれば、則ち罔し。 思いて学ばざれば、則ち殆し。 人から学んだだけで自分で考えてみることをしないと、何もはっきりとわからない。 一人で考えこむだけで、広く学ばなければ、狭く偏ってしまう危険がある。 (「実践・論語塾」安岡定子著)...
過去を学ぶ3つの理由
故きを温ねて新しきを知れば、 以て師となるべし。 昔の人の教えや過去のことについて学習し、そこから新しい考え方や取り組み方を見つけられれば、人を教える先生となれる。 (「実践・論語塾」安岡定子著) 昔の教えとは何か? これは3つあるのではないか。 ①普遍的な法則...
はじまり
学びて時に之を習う、亦説ばしからずや。 朋有り、遠方より来たる、亦楽しからずや。 人知らずしていきどおらず、亦君子ならずや。 学んだことはいつでも時間さえあれば復習する。 理解できた時には、なんと嬉しいことではないか。 同じ志を持つ友人が遠方からやってきて語り合える。...
ノリノリ
之を知る者は、之を好む者に如かず。 之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。 あることを知っているだけの人は、それを好きになった人には及ばない。 それを好きになった人も、それを楽しむ人には及ばない。 (「実践・論語塾」安岡定子著) 知って、好きになって、楽しむ。...
宿題
我は生まれながらにして 之を知るものにあらず。 古を好み、敏にして 之を求めたるものなり。 私は生まれた時から、どのように生きたらよいかという人の道を知っていたわけではない。 ただ古の聖賢の学問を好み、速やかにそれを求めたに過ぎない。 (「実践・論語塾」安岡定子著)...
変化と成長
君子は器ならず。 君子は一つの用途しかない器ではいけない。 器を使いこなせる人にならなければならない。 (「実践・論語塾」安岡定子著) とても短い章句ではあるが、ど真ん中を生きるという考え方を表現しているといっても過言ではない。 まずは自分の仕事に邁進する。...
人か道か
人能く道を弘む。 道、人を弘むるにあらず。 人こそ、理想の道を広めることができるのだ。 道が人を広めるのではない。 (「実践・論語塾」安岡定子著) この章句に出逢ったときの感動は忘れられない。 そうか!結局は人なのだ。 けれども、世の中を見渡せば、道を示して人を呼び込みビジ...
任務
士は以って弘毅ならざるべからず。 任重くして道遠し。 仁以て己が任と為す。 また重からずや。 死してのち已む、また遠からずや。 高い理想を求める士は、心が広く、意志が強くなければならない。 その任務が重く、道は遥かに遠いからである。...
世の中を正しく見る習慣
君子の天下に於けるや、 適も無く、莫も無し。 義にこれ与にしたがう。 君子が天下のことを行うときには、必ずこうしようと固執しない、 また絶対にこれはしないと頑なになることもない。 常に正しい道に従うのみである。 (「実践・論語塾」安岡定子著)...
二つの間にあるものは?
君子は上達し 小人は下達す 君子はより高いものを求めて向上し、 小人は反対に程度の低いものを求めて堕落してしまう。 (「実践・論語塾」安岡定子著) はじめてこの章句と出逢ったとき、すごい衝撃を感じた。 上達と下達、この二種類。 現状維持はないということだ。...